9年目で、人工大理石のシンクの底が割れました。
メーカーの商品の中でもハイクラス。
人大シンクは半透明で、キッチンカウンターもデュポン社のもの。
このシンクが、ものを落として割れました。
人大は熱でシンクと継ぎ合わされていて、それだけ交換することはできません。定価で47万円する工事になりました。
値引きをするとはいえ、お施主様はショック。「こんなに早くお金がかかるなんて… メーカーはちゃんと耐久試験をしたのですか? 」
私はこの問題は、シンクの強度の問題もさることながら、「高齢の方にIHをやみくもに勧めた」事が問題であると思っています。
「高齢の方は皮を消し忘れるのでIHが安全」と言ういってんからだけものを見ますと、IHほどいいものはありません。
しかし私がずっと危惧しているのは「 IHの鍋は、高齢者の方には重たすぎないか?」と言うことです。
今回は、そのリスクが形になって現れてしまったことではないかと思います。
と言うのも、IHはアルミの鍋が使えません。(高機能のものが使えるのですが、あまり熱伝導率が良くなく電気の無駄だとして分厚いステンレス製が推奨されています。)
アルミに比べてステンレス製の鍋は分厚く、時に二層構造になっていますので、非常に重たくなります。
高齢の方がいちいちその鍋の上げ下ろしをするとIHのガラストップを割ってしまうとか、手首や肩に負担がかかるなどのリスクがあると私は常々心配していました。
今回はそれがシンクの割れとなって出現してしまった形です。
私が大嫌いなIHのCMは、のりピーがIHをさっと拭きながら発する「だって、そういう時代でしょ」というCMです。その当時、怪訝な目で見られていたIHに向かってのりピーがそう言った途端、 IHがどんどん売れ出しました。
世の中の人は、「風潮」に流されすぎだなと改めて感じた覚えがあります。
みんなが行っていることが正しいとは限りません。はやっているものは最善とは限りません。
私はミーハーである事はよしとしていますが、全体の多数派に安易に組することには非常になる危険を感じます。
今回のことで、改めてご高齢の家庭へのIH推奨について、慎重になろうと決めました。今までご意見に粛々と従ってきましたが、これからはたとえ工事する気持ちに指をさしてでも、止めるべきところは止めないといけないなと思いました。
こうして一つ一つ勉強です。かみしめるようにゆっくりしか進まない勉強ですみません。新しい製品には、こうして想像のつかないトラブルが潜んでいます。これからはこの事件を大切に生かして商品を勧めます。
教えていただいたお客様にはしかるべき勉強料をお支払いしたいと思っています。
posted by Kuhcan at 23:34|
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