2023年09月21日

孔子曰く、五十にして天命を知る

最近ですねぇ。
(これは経営の話です)
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社長として勉強すればするほど、
「自社だけの利益を追求すること」
をノウハウとして教えるコンサルや社長陣に嫌気がさしてきました。

代わりに
「人の幸福の最大化」
にコミットできてれば、
人口減少、地球温暖化の世でも、自然に会社は残る気がします。

 特に今の時代、お金を追いかけることを本当に無意味に感じています。

経済界の理屈(必勝法)は
「利益の最大化」です。
今、力のある大手企業が、戦争という危ない世の中での生き残りを賭け、こぞって収益を向上させたため、このインフレが起きています。

出遅れたものや、生き残ろうとしなかった企業や個人は、金欠になり・仕事が減り・人が減り・苦しんでいます。

ですが、他人の幸福を考えていると、この欠落の状態さえも、「まぁ誰かには皺寄せが行くんだから、自分が引き受けてるだけか」と痛み分けの気になります。


「いやそれではいかん!
社長たるモノ確固たる計画と執念で、流れに竿出して自分は勝て!」
と優秀な社長たちから檄が(笑)飛んでくるのですが、

私の執念は、
「六方よし」なので、自分だけが勝つことはありえないと思います。
「みんなで、少しづつ担い、少しづつ苦しみ、少しづつ得る。」
そうすると、負担が少しな割には、みんなが円満に過ごすことができます。

私はなんか結局、こういうことが1番良いのじゃないかと言う気がします。

(ロシアは、分かち合う理念を踏みにじっているから悪い。)


これで成功例はあるかと探してみると、日本の縄文時代です。

世界的に見て、1万年も続いたのは、日本の縄文時代だけです。

自然の森の恵みに頼っていたら、工夫や進化をする必要がそこまでなかったのだそうです。

喧嘩も圧倒的に少なく、争いや暴力で死んだ骨がほとんど出ないことも評価されています。

縄文スタイルが終わったのは、朝鮮半島から圧政を逃げてきた移民が、「開墾」を始めたからだといいます。

そう考えると、縄文風の、自然と馴染んだ小さな経済は、今のグローバル社会に大きな学びを与えてくれます。

現代の企業経営で具体的に言うと、
「父ちゃん母ちゃんの店」が、
サスティナブルだと言うことです。

「会社」と言う制度で、生産活動と家庭を切り離してしまったので、いろんな弊害が出ました。

会社員は、朝出たきり、家庭に帰れず働きます。

子供の面倒を見る人(今までは主に女性)は、家庭に閉じ込められ、経済活動との縁が切れます。
それがイヤで経済活動に参加したら、子供を見守る人がいなくなりました。

子どもは、子供時代の持て余す自由な時間を、外に出られず預け先のルール下で暮らすか、ゲームというバーチャルなものに費やし、

60歳になると、生産性が低いとみなされ何の仕事もしなくなるか、人からも期待を与えられなくなりお一人様化します。

。。。
最近、「子供が要らない」「夫がいらない」「妻もいらない」「親もいらない」「老人も要らない」と思ってしまうという風潮ができたのは、
意外と「会社」が人と「家庭」を分断した結果じゃないかと思うのです。


だから、私は、自分で会社を作って、仕事で家族が離れないようにしてきました。(とはいえ家に殆ど帰れませんでしたので…じいちゃんばあちゃんを最大限に活用して子守をしてもらいました。)

すると私の会社がどうなったかと言うと、
・近所の子供と遊んでいるうちにその親が入社したり、
・近所の家を工事しているうちに地域のシルバーボランティアと仲良くなり、街の活動を始めたり、
・古い家を治しているうちに全国の大工さん達と知り合い、仕事への情熱を高めあったり、
と、

人を人として捉え、
客だ業者だ企業だ個人だ、というバリアのない、まさに血の通った会社ができつつあります。
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長くなりましたが、今日は高井会計さんで、80年前のドラッカーが、晩年は非営利団体について考えていたんだとの話を聞いて、非常に感銘を受けたので、改めて自分のスタンスを書いてみました。

私のやっている事は、非営利ではありません。でも会社にお金があれば成功だとも思いません。できる限りの利益を、材料やデザインや人に割いて、建物も人も健全に立っているのが一番の成功です。


これからも、父ちゃん母ちゃんの店の代表として、みんなの幸せを願いやっていきたいと思います。

そして、本当に、育てた子供たち(他人の)が、うちの会社を好きになって入社してくれるといいな。と思います。
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…昔はこういうこと(親の仕事を子が真似ること)を、小さく育てる事だと思っていましたが、最近は、ちょっと意見が変わってきました。
 つまり人は、お互い円満に過ごしていたら、自然と一緒にいるものなんですね。


タイトルにある通り、何千年たっても孔子が言ったことが皆に当てはまるように、今日話した私の考えが、真理だったらいいなと願う夜です。

posted by Kuhcan at 03:40| 日記

2023年08月25日

慶應の甲子園と酷暑

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夢があるな〜と思いました。
頭・体力・努力・団結力・お金
全てがある人がいるんだ〜。

最近子供達が「若者」になってきて、
自分の知らないことやセンス、友人を連れてくるのですが、それだけでかなりいいモノです。

そこに、甲子園優勝を加えてくるなんて…。

聞けば、坊主頭である必要もなく、時間もそこそこ確保されて練習しているということ。

まぁ、私立大学なので、スカウト力の要素はあると思いますが、その議論は無しにして、ある程度のゆとりがある練習で優勝できた、ということが素晴らしい。
これから野球人が考えていかなければいけない課題だと思います。

と言うのも…
世の中が暑いからです。
そして野球部は一人の時間がなさすぎるからです。

この酷暑の中、なぜここまでと言うぐらい、プライベートの時間を奪うのが野球です。子供たちが自分で考える時間を奪い、人間に耐えられない暑さを経験させる、ちょっと危険なスポーツになりつつあると本当は思っています。

特に時間について、凡才が揃うならともかく、そこそこのトップ高3位くらいまでは、そこまでやらないとダメなのかなと思うことがしばしば。これは選手の問題ではなくてマネジメントの問題だと思っています。

私は、野球やる人が大好きで、この精神はかなり素晴らしいと思っています。それにそもそも夫は小学校ですが監督をやっています。
 が、いかんせん、強豪校になればなるほど 野球以外を教えなさすぎるので、子供たちの進路について少し心配しています。

集中と選択とよく言いますが、子供たちに5歳から18歳まで野球しか教えずに育てる集中を見せてしまったら、さすがにまずくないのでしょうか。

だから、慶応の方針について、野球の理事会がざわつき、ちょっと取り入れてみようと思ってもらえないかなぁと思っています。うちの夫にも…。

 かく言う私も慶応の方針をよく知っているわけでは無いんですけれども。(そして繰り返しますが、お金で良い子をとるアドバンテージも確かにあると思いますけれども。) 

子供たちが、豊かな選択肢と安全の中、競争とチーム力を学ぶこと、そんな良質な教育ができる大人でありたいものです。





posted by Kuhcan at 07:32| 日記

2023年07月25日

天王祭とみかん

盛夏です。
昨日は久しぶりに、地域でお祭り「天王祭」がありました。
私たちは冷凍みかんのお店を出しました。
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「いらっしゃい いらっしゃい!」
久しぶりにストレートに物を売りました。
商売の原点に帰れて、ほんとに楽しかった。

すのまた宿 脇本陣の屋根裏から出てきた年代物の樽で冷やしたみかんみかん缶です。
(食べてみると、シャリシャリで本当においしい。)
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なかなか暗くならない本町通りの、本番を待つ屋台が並ぶトワイライトタイム、昔、この通りに住んでいた子供時代のワクワク感が戻ってきて、ノスタルジックでもありました。
 ここで、商売の楽しさ知ったんだなぁと、しみじみ感じました。
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大垣の石田市長さんも来ていただき、すのまた宿 池田屋脇本陣の夏、スタートです。
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 休憩所は、みかんを持っている人は無料で使っていただけるようにしました。終始満員御礼です。日本の情緒、少しでも皆さんにお伝えできたらいいな。

余談ですが、
しかし、こうまで暑いと…。
建築業としては、普段は人死にが出そうな恐怖があります。こういう時、私はいつも、「人間だけ逃げ切れると思うなよ」と地球に言われているような気がします。

 恐竜が滅んでしまったように、エゴが膨らむとその文化は閉じます。
 最近、国の指針で、「脱炭素」が当たり前になっていますが、少々気をを使ったところで、人間が何かを消費していることには変わりない。

 自分が知らず知らずのうちに撒き散らしているエゴは何なのか?
 この暑さに向き合うたびに、考えさせられます。古民家再生は、「新しいものが欲しい」という消費のエゴを1つでも減らして、立派なものはきちんと長くみんなで使う取り組みでやっています。

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とりあえず、お祭りで分かった事は…
「クーカンのみんなは 縁日に向いている」
ということ!
スタッフそれぞれの仲間たちが次からへと訪れて本当に楽しい時間でした。こんな場を作れることに幸せを感じます。
「だから『縁日』っていうやろ」
と、吉田くんが言いました。
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みかんの缶詰、110個、あっという間に完売御礼でありがとうございました。
来年の天王祭はもっと、楽しんでいただけるお店作りします。また来てください。
 


posted by Kuhcan at 03:17| 日記

2023年04月12日

クーカンが大事にしていること

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大事にしていることがあります。

それは、消費者でいるより、消費者に喜ばれる側でいたい。という事です。

仕事ばかりしている私ですが、遊ぶときは
・良いものを見る
・良いものを着る
・良いものを食べる
・良い人に会う
・良い話をする
ことに徹しています。

遊ぶ「時間」が少ないので、上記の良いものを効率よく摂取します。

すると、結局のところ、良い吸収は仕事になって、自分から吐き出されていきます。

すると、お客様が喜ばれます。

その姿を見ていたらますます張り切るので、仕事をしていて幸せな気持ちになります。

今日お引き渡しをしたお客様から
「3軒家を建てたが、あなたたちがダントツでいい仕事だった!」と褒められました。

嬉しい、、よりも、チームのみんなの誠実さが伝わった安堵感があります。有頂天になるのでなく、「これで明日も堂々と仕事を提供できる」という安心を、一瞬持ちます。

私には遊ぶ時間より大事な感情です。

とどのつまり、遊んでいるより仕事をしていたほうが、私にとっては充実だし、本当に楽しい、ということです。

ワーカホリックなわけではありません。
自分の作り出すものが喜ばしいのであれば、遊ぶ、つまり人が作り出したものをもらいに行く必要がない、ということです。

とは言え、新しいもの、美しいものは常にインプットしたいですから、遊びに行きます。

インプットが目的でなく、アウトプットが目的です。何でも人に作ってもらうより、自分で作った方が面白いのです。

いつか、そんな自分の存在が、文化をつなぐパイプになっていればいいなと思います。

それぐらいの仕事をするのが私たちの夢です。

posted by Kuhcan at 21:28| 日記

2023年02月26日

地元の祭りをやってみて

工事中の「すのまた宿・池田屋脇本陣」。
このたびは、地元のお祭りと言うことで、工事を中断して中を解放しました。

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 とりあえず、どんなものかよくわからずに、コーヒーが飲める無料休憩所にしてみたところ、
商売で出くわす人たちともまた異なる風情の、温かい交流の場になっています。
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 そして、地元であるにもかかわらず、忙しがって、ほとんど参加してこなかったときには見えなかった、地域の人たちの誠実さや気力、体力に驚嘆する毎日です。
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 今日、休憩に立ち寄られた方が「優しい方ばかりで、すのまたは本当に良い処やね」と喜んで帰られたのが、なんだか大変誇らしく、生きていて、本当に楽しいと思いました。

 このブログでもしつこく書いてますが、会社をやってはいるものの、良いものを作りたい、良い場所を届けたい、良い心で暮らしたい、と言う気持ちだけでやっています。

 この祭りでは、なんだかそれが全部叶ったような、ちょっと夢のような雰囲気で、どの方も、ごちそうさま、ありがとうね、体が温まりましたと言って帰られます。

 飲食店の人たちは、毎日きっとこういう声に励まされてやっているのでしょう。衣食住、と言いますが、命に関わる仕事をしているのは、私も同じですが、また一味違った感動があります。
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 それに、100年も地元なのに交流してこなかった年配の方々、久しぶりに会った同世代の方々、新しい世代の子供たち、と1日500人の人たちに出会えて、イベントの企画の楽しさが身に沁みます。

「あんた、話が聞ける子やね!教えたいから紙芝居を見にいらっしゃい。」
「私たちがこの流れを継ぐの?そうやね、頑張らなあかんね。」
「祭りの応援ありがとう。みんな喜んでる」
「(子供たち)今日もきたよ!」


 コロナやウクライナ戦争で、現実を見れば切羽詰まったことばかりですが、祭りをやるということが、こんなに自分の癒しになるとは思いませんでした。
 スタッフも休日返上、買い出しに・案内に・ストーブの給油に…おおわらわですが、普段が真剣なので祭りでも全然真剣です。こんな時もさすが頼りになるクーカンの人達…。

 私自身、朝は企画書、昼は案内で毎日立ちっぱなし、夜はSNSですが、たくさんの人に会った日ほど疲れません。人はパンのみに生きるにあらずです。充実した仕事人生を送っているつもりが、一歩離れただけで、また違う豊かさが隠れています。

 祭り、大事ですねェ!

みなさん来てください。
「つりびな小町めぐり2023 
 2月23日〜3月5日
 すのまた宿池田屋脇本陣 界隈にて」
 
posted by Kuhcan at 19:00| 日記

2023年02月22日

今日怒られました…初心忘るるべからず

 今日、お客様にお叱りを受けました。
 石積みの庭を削る工事で、
・石碑の向きが悪い
・思ったより石積みが低い
・セメントの塗り方が汚い

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 石積みは難しいので、庭師さんに任せたらバツ1️でした。

「何でここ(大工・左官)までこうも綺麗にやってくれて、最後こうなんだ!」と怒られました。

 うちの監督は、「確かにうちの工事にしては仕上げが甘い」と反省して帰ってきました。

 「任せるよ」の言葉は常に罠のようにリノベーションの仕事に潜んでいます。

 いざやってみて「そうじゃないだろ」が最近多い。他人なので、良かれと思うツボが違う時と、思わず職人さんが急ぐ時、そして実際に相手の期待を汲み取りきれず気が利かない時があります。

 実は、この問題、「信頼されていがち」な、そのお客様と初めての工事の時こそおこります。

 「わからないから、いいようにやってね」
とお客様に言われても、昔は容易に自分を信じず、どんなに面倒でも、時間をかけて相手の好みを確認していましたが、最近は「使い勝手とデザインのちょうど良いポイントはココだ」と言う、プロの意見、逆に言えば、平均化された結論に至ることが増えました。

 最近、怒られる時は、大概、この平均的な施工をして怒られている気がします。
 もしくは「本当は意見を言いたかった。」というお客様の気持ちを汲み取りきれず、こちらの美学で進めてしまうのも一因です。

 弊社はリピーターが多いので、思わず「この人にはこれ」と決まると安定して進んでいくことが多く、怒られるのは、大概、はじめてのお客様です。

 お客様の「どうなるのかな」という不安を、私が汲み取りきれていないのです。

 と言うわけで、そろそろ50歳の私は、営業は若い人の助言やサポートに回ったほうがいい年頃だと思います。どうしても、会社経営に時間を使っているから、お客様の不安を昔ほど長い時間聞けなくなっています。さらに、なまじ経験が多い以上、自分の意思で十分正しいと思い出してるのは、仕事のまわり道で、良いことではないみたいです。残念ですが。

 ただ、実際、引き渡して家に住まれてからは、「しみじみ良い」と感じてくださる方が多く、時間が経つほど、弊社とお客様は馴染んできます。その方の次の工事には、プロの意見も生きてきます。

 初心忘るるべからず。

 畏れ、を持つ世代を増やせる、具体的には、お客様の意見をしょっちゅう聴けるような社員を増やす運営をしたいと思いました。いよいよ、スタッフあっての、空間建築工房です。



posted by Kuhcan at 23:41| 日記

2023年02月19日

詐欺にご注意 A大手の不動産屋

 今日、娘の下宿探しで変な不動産屋がいました。
遠方なので電話で問い合わせたところ
「お調べしますねー」と3分待たされ、
「すいませんわかるものが全て応対中で」
「たつみ、は漢字ですか?…ああ、漢字。
 ではマンション、はカタカナですか?」

…おいおい、自社物件なら入力すればある程度の情報はパソコンに出るでしょ。私でさえ3Dで部屋が見渡せるじゃない。
それに、あなたの会社のレベルなら、ファイルを開けば、すべての情報は載っているはずですよ。
…そして、マンションで、漢字あるんかい?

まだ18歳の娘がニヤニヤしながら「この人やばいね〜」と言う顔で私を見てきます。

このことで、あるフランチャイズの不動産ネットワークの営業さんのことを思い出しました。

「不動産事業を始めるにあたり、人を4人雇ってください。
賃金の安い23歳で充分です。
社会経験、不動産知識などあまり必要はありません。もちろん宅建士の資格も、あなたが持っているから不要です。
なぜなら当社ならそんな人を教育するシステムがあります。何時に何をして、終わる頃までに何をするのか、全てマニュアルがあります。
さらにそういう不動産のアマチュアの方が、(わかっていないので)会社のノルマ命令に忠実です。彼らは基本給が安く、成功報酬で賃金が増えるので、良い人にだけお金をたくさん払うことができます。」

 あまりにも、業界(お客さん)や、社員を馬鹿にした方針で、逆に私はドン引きしてしまいそのフランチャイズに加盟するのをやめました。

 そこは大層な大手チェーンなので、皆さん1度は耳にしたことがあります。大手の「仕組み」って、そんな風なんだ…。私が就職した頃の30年前のハウスメーカーと一緒なんだ…。

 ちなみに弊社は、どんな知識レベルの新入社員を雇ったとしても、
「文化の香り」
「人への愛情」
「業への精意」
「成長する幸せ」を教えます。

 ノルマの話は、各個人のものではなく、会社の月次決算書を元に、損益分岐点の話をして、毎月確認をするだけです。社員さん達は十分に理解して、私以上に、「こんなに頑張ってるのに赤字なんて嫌だ」「こんな無駄は会社のためにならないからやめました」など、我が事として会社業績を捉えています。

 また、弊社では雇用する時
「賃金が安いから雇う」のではなく、
「この人いい人だから他社ではもったいないな。うちにこればいいのに」と思う人を雇っています。

 そして来た人たちが「古参メンバーと知識レベルが合ってきてうれしい」とか「現場楽しい」「今、人生で1番頭を使っている」「昔の私より今の私の方が賢い」「夫に、お前稼いでるなと言われた」と言ってくれるのが1番嬉しい。

 私の会社にもし冒頭のような、仕事が全くできない人がいたらとゾッとしますが、そもそも、「お問い合わせありがとうございます」の言い方が気持ち悪いような人は雇いません。でも例のフランチャイズ不動産の感覚なら十分に雇うのかもしれません。だって「不動産屋のフランチャイズに応募してくる人は、大概仕事はできませんよ。だってできる人は、自分で開業できていますから。」と言う考えだそうです。

 …怖いなぁと思うのは、これを言っているのが、私より断然若い30代前半のシュッとした若者なんですね。自分が話している内容が、私のもっと上の世代の、昭和の黎明期の組織感覚だということに気づいていません。

 一体なんだその考え!従業員を馬鹿にすんな!と、私は強く思います。社員を低く見る会社が、お客さんを大事にできるとは私はとても思いません。

 と言うわけで、「不動産大手」には、そんな根本的な部分から発生する罠が仕掛けられている場合があります。即レスでいわゆるマニュアルを忠実に守っている遠方の誠実な社員さん達が、そんな態度で会社に雇われていなければいいが、と思いながらの、下宿探しです。

 
posted by Kuhcan at 03:31| 日記

2023年01月02日

うまく生きろ

あけましておめでとうございます。
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2023年1月3日です。

今年は新たに古民家ショールーム「池田屋脇本陣」をオープンする予定です。はやる気持ちを抑えています。(抑えなくてバリバリやりたいのですが、昔みたいに自分一人ではないので、妙な慎重さで進めています。)

 2022年は、資材不足からの人手不足に悩まされ、混迷の時期でした。
 が、弊社では松下幸之助の「ダム経営」論、すなわち「ヒトもカネもモノも、全てダムの水のように蓄積されていたい」の願いのもと、とうとう社員が7人に増えました。カネは無駄遣いせず出来るだけ貯めています。モノは、先述の古民家脇本陣を整備中です。

 このダム経営の効果を一つ。
 私たち夫婦は年末コロナに罹ったのですが、残りの5人が獅子奮迅の如く業務をこなしてくれたおかげで、安心してずっと寝ていました。12月は7日も業務を抜けるわたしがさらに10日抜け。
 その穴埋めに皆はそれぞれ責任感を発揮して孤軍奮闘、さらにチームワークも発揮しての年末でした。

 こんなに放置して会社が回るのはこれまでには考えられないことで、はじめての経験です。ダム経営の効果をまず実感した次第です。

 と同時に、3日も寝ていられないようなコツコツした重圧を、自ら背負って歩いてきた22年にも気付きました。よくやって来たなぁ…誰にも強いられずこんな生活。

 そこで、この正月は太宰治を読んでいます。ちょっとしんどいとすぐ死にたくなって酒と薬と女に走る弱い文豪を、私は反面教師にしています。若い頃は腹を立てながら読みましたが、今は、幼少期の性的虐待が可哀想な自尊心にしてしまったとわかるので、単純に、「望みを失う」「逃げる」怖さのベンチマークにしています。
 
 その合間に安藤忠雄の記事や本も読んでいます。安藤さんは闇雲な強さとクレイジーな自由さを持つ世界の天才です。今日あたらめて刺さった言葉は「うまく生きろ」です。

 やっぱり無謀だと思えることを実現するためには、チームを組んでくれる優秀な人物の存在が不可欠です。人との出会いには常にアンテナをはっていたほうがいい。それもまた、生き抜く術のひとつでしょう。若い人にメッセージがあるとしたら「うまく生きろ」ですよ。自分で考え、自分でその術を見つけ、これからの時代をうまく生き抜いていってほしいと思います。』
 
 成功を得てなお死のう死のうとした文豪と、世界中の評価を得てなお食べるために働けという建築家。
 太陽や雨に悩まされ、人の想いに悩まされ、時間の経過にまで悩まされる世界で、4Dで迫る困難をまだ振り払い生きているのは、臓器を5つも失った「実施士」の方であることを私はずっと知っています。

 人生100年、折り返しに立つ自分と、伸び盛りの子供たちへ、この世界に立ち向かう原点とは何か?を考える。それがいつもの私のお正月です門松
posted by Kuhcan at 12:32| 日記

2022年10月28日

冬にエアコンは使いません

めっきり冷え込んできて、すっかり秋です。
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今朝ニュースを見ていたら、電力高騰で一般家庭の主婦はこまめに節電をしていると言う取材。
「炊飯ジャーで炊いたらすぐ電源を抜きます」
「寒くなりましたがエアコンもかけずにまだ我慢しています。」
とのこと。

 実は私はこの手のこまめな節約は反対派で、いくらも変わらんでしょ?辛気くさい話しだなぁ、と聞いていました。

…が、その主婦がこう続けました。

「(記者)エアコンの電源も、抜きっぱなしなんですね」
「(主婦) はい、そうです。冬はエアコン使わないんで。」
「(記者)使わないんですか?!」
「(主婦) はい、パパがあったかいんで」

 えー…そういうハナシなのきらきらきらきらきらきら
 
 2日ほど経ちましたが、寒いなと思うたびに、このコメントを思い出します。心があったかくなりますハート️ 幸せな人生だなぁ。 
 

posted by Kuhcan at 04:28| 日記

2022年10月23日

経営体験発表


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 10月22日、岐阜実践経営塾(旧盛和塾)で、経営体験発表を行ってきました。

 当日は、岡山の幕末の為政者「山田方谷」6代目の野島先生のご講演がメインだったので、会場は満員。会社の経営者はもちろん、その会社の従業員さん達もたくさん参加しておられ、なんと140人。

 この発表では、自社の財務と経営理念、実践の方法をつまびらかに述べ、それに対して6人の世話人さんが、質問やコメントの100本ノックを行うものです。会社の 危ないところはどこか、また、伸ばすべきところはどこか?それぞれの意見がそれぞれの角度から飛んできます。

 いわゆるコンサルタントさんはおらず、実際に経営の舵取りをしている皆さんがそれを行うので、鋭い質問がどんどん飛んできます。また、岐阜塾は、情のある社長さんが多いため、忌憚ない意見がポンポン飛び出します。
 発表する方は大体しどろもどろで、傷まわしになります。

 入塾して5年半、恐れていたこの日がやってき、予想通り、私は翌日である今朝、体中が痛いです勝ち誇り 質問されて体中が痛いなんてなかなかあるものではありませんが、それぐらいの負荷がかかります。

 というのも、私が話した言葉の薄っぺらいところはすぐに見抜かれ、逆に、本当に思っている事は尊重してコメントが放たれます。多分人生で1番、的確に吊し上げられている瞬間。

 私はプレゼンが長すぎ、「人の時間をどう思ってるんだ」と言う叱責から始まりました。さらに「長い割りにはよくわかんない」と続き、「そんな薄っぺらい○◯、なんなんだよ…逆にいらないよ。」と腹を立てられる始末。

 発表会+二次会+三次会、足かけ6時間以上もそれは続くのですが、まぁ何しろ、あんなキレキレの社長さん達に突っ込まれ続けると言うのは未知の世界で、全く怖い会場です。

 でもこんなにありがたい話はないと、私は受け答えに必死でした。
 実際、暖かく理解あるお言葉たくさんいただきました。怒られているんだけれど、ここまで親身に考えて下さり、また教えて下さって…ほんとに独特な場所です。

 会場にいた夫からも「俺は楽しかった。上手くなる100本ノックって気がする」と、爽やか。「取れるボールも取れんボールもある。でも全部うちらに向かって打たれているわけやから。」


 御歴々の社長さん達からしたら赤子のような会社を、あんなに熱心に指導してくださったことにはとにかく感謝です。
 今朝は、たっぷり寝た割に、頭も激痛だし体は本気で痛いし、足さえしびれている始末ですが、またここから、始めていきたいと思います。
posted by Kuhcan at 07:56| 日記

2022年10月16日

ネットワークビジネスは悪だ!と言える理由

 悪徳商法と言う言葉がぴったりの、ネットワークビジネス(マルチ講)。
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 今週末も、インフレになってしまった建築業界の見積もりを提出しながら、自分の価格が誠実かどうかを必死に胸に問いかけながら、提案を進めています。
 ネットワークビジネスがどう違うのか?しみじみ考えています。

 私の○ム◯エ◯との出会いは、22歳、初めて入社した会社の社員研修中でした。

 同僚が「研修が終わったら、博報堂に勤めている先輩に会うがどうか?」と言うので、思わず興味津々でついていった先で、販売員として勧誘されました。

 商売をやっている実家に育ったので、ネットワークビジネスの魅力を語られているそばから、理屈がおかしいとすぐ感じました。

・売り子を増やした人のランクが上がる。

・1つの商品のロット(最小発注単位)がどれも結局は20万円位と、高額。たくさんの種類を買ってもらえるほど、在庫を抱える羽目になる。

・たくさん商品を売った人よりも、たくさん売り子を見つけてきた人の方が、原価率が早く下がる。

・95%で始まる原価率が、最終的には30%まで下がり、全国大会で発表の権利やホテル無料宿泊の接待を受けられる。

 以上のことを考えると、正直なところ、売り子さんとはいえ、立派な商店規模の仕入れや売る心構えが必要になります。これを商売のシロウトに「契約しないと帰れない」まで平気でゴリ押ししている会社の恐ろしさを感じます。

 そもそも、副業で始める初期投資としては、高くつきます。もの売りの素人が200万円以上の在庫をすぐ抱える羽目になるシステムは、間違っていると思いました。

 それに、原価率が95%って何?そんなことで儲かるわけがありません。しかも、売り子ランキング表の△ピラミッドでは、売り子の7割が原価率95%止まりで止めていくのだそうです。
 5%の粗利益では、フライパン1つ、洗剤1つを売るためにコーヒーを奢ったり、客に会うために電車に乗ったりしたら、すぐ赤字になります。

 かといって買う側としても、「その製品ランクなら1〜4万円出せば売っているだろう」製品が10万円の定価です。(だから最後は30%にできる)。

 皆さんが商売のあれこれ、本当に良いフライパンのあれこれを勉強しておられれば、そんな悪い条件で商品を購入することも、在庫を抱えて売りに行かされることもない。

 だから私は断固としてネットワークビジネス反対派です。儲かるのは本部だけだからです。

 私はその後も、販売力があると思われたのか、○セラー○化粧品など5社ほど誘いを受けまして、つまり無駄にネットワークビジネスのシステムを聞かされまして、高い薬を買わされたり、リフォーム工事を人質に契約を迫られたり、あの手この手で時間と気力を使わされました。ますます嫌いになりました。

 ネットワークビジネスは、売る前線の人間と、買う人を騙しがちです。皆さんくれぐれも、適正な価格でものを購入できるよう、「賢い消費者」になっていただければと思います。

 
posted by Kuhcan at 18:33| 日記

2022年08月24日

道が空いている朝

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今朝は、平日(水曜日)の朝なのに、えらく道が空いてるなぁ。

 コロナが始まっても、岐阜県は、日本人の雇い止めは少ないのです。
それでも、こんなに出社している人が少ないのを見ると、大丈夫なのかな…と心配になります。

 渋滞の頃は、「こんなにみんなであくせく働いて悲しいなぁ」と思った日もあるし、こうして少なければ少ないで、「大丈夫かなぁ」と心配になり。いつも何かしら問題はあるものですね。

 それに最近は、道端の看板がガラガラで、「広告募集中」の張り紙をよく見ます。広告も出せないほど、世の中は逼迫しているのだと実感します。

 日立キャピタル元社長の花房正義さんに、「世界を、時系列の数字でよく見なさい。そうすると見えてくるものがある。」と言われているので、こんな風景を見ながら、大垣市の世帯年収や、高齢者率、就労人口の割合等をググッています。

 グラフを見れば見るほど、世の中の問題が浮かんできて、なるほど、これか。という思いです。
 
 ちなみに大垣市の世帯年収の平均は521万円で、全国平均の503万円より18万円高く、就労人口割合も全国平均よりずいぶん上回る57%です。女性の就労も48%で、全国815自治体内で222位です。

 こう見るとなかなか調子の良い街なのに、先程の、朝のガラガラの道の状態。
 というのもグラフは2015年の調査の結果だから。この大きく変わった7年の間に、どうなったのか、気をつけて見ていこうと思います。

 今朝はまた、こんなこともありました。
 コロナの濃厚接触になり、会社に来れなかったスタッフがようやく出勤してきたのですが、「夫婦で10日も仕事に行けないモノだから、収入がどうなるんだとかなりドキドキだったよ…」と言っていました。

 この不透明な世の中、コロナで体の具合が悪くなり、外出を禁止され、お金が足りない、と心配するのは心身ともの健康に悪いですね。いわゆ悪いスパイラルです。

  不幸中の幸いでその人は、一家でコロナに感染したものの、みんな無事だったし、有給が余っていたためそれを充当することができました。

 健康で働いてこられたので余っていた有給です。過去の自分が今の自分を助ける。
 
 コロナに感染しても、「人生のちょっとした出来事」で終わるように生きたいし、会社もそのようにサポートしたいものです。(コロナが始まった頃、家族の感染に責任を感じて自殺した遺族があると聞きましたが、本当に胸の痛い話です。)

 こんな変な世の中だからこそ、 
 今日もがんばって汗かいて働こう!


 
posted by Kuhcan at 09:17| 日記

2022年08月19日

ガラスの天井ではない、建築界のコンクリート天井を打ち破るのは誰か

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アメリカBloombergの記事で、
「建築業界の女性進出が青天井で進んでいる」
と言う記事がありました。


弊社も全く以てそうで、社内の女性率は85%。
「ガラスの天井」どころか「コンクリート製の分厚い天井」であった建築業において、逆に、要職になぜ女性がいなかったの???と不思議に思うほどの活躍をして頂いています。
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アメリカでは2022年に14%越え。

 私はなんとなくですが、2080年くらいになると、いわゆる「本社」「シンクタンク」「コンサル」といういわゆる頭脳的な場所で、女性割合が6割を占めるようになるんじゃないか?と予測しています。

 予測のつかないVUCAな世界では、女性のセンシティブな勘や不正を忖度しない世界観は、有用です。

 大きなゼネコンのビル現場で、腰袋(10kg)をつけて工事に挑んでいる華奢な若い女性なんかを見ていると、良いなぁ〜と感じます。現場でたくさんいろんなことを学んで、いつか幹部になっていただきたいものです。

 私がこの会社を始めた頃は、下請けの会社さんが平気で女性スタッフのお尻を触ったり、朝からエロトーク三昧だったりと、女に全員キャバ嬢の寛容さを求めてる人がチラホラいてびっくりしました。 (夫婦仲の良い職人さんだけにしぼったので、今はたいへん健全な男性ばかりですよ。)

 はたまた取締役の私となると、自分のアイデアなのに銀行さんから、「あなたは女性ですし子供もいるから、(将来的に長く続くかわからないので、)ご主人にしか融資はしません」と全く信用されず、戦略上、主人の収入だけ上がっていくと言う現状もありました。私が給料を決めているにもかかわらず、です。


 女性で子どもを産む機能がある人は、仕事も出産も選べるので、元来、自由でタフなはずです。
 
 ただ私も3人を育てて、その「選択の自由のホンネ」…実は一つも自由などない。には驚愕しましたが、それでも、子育て(人の育成)、母という肩書き(社会からの信用のなさ)、という1種の苦行を通して、人生が変わるほど学び、強く大きくなりました。

 そんな経験豊富な女性たちが、新しい「建築業界の価値観」を切り開いていくことは必然でしょう、明るく朗らかで穏やかなモノになっていくと思います。

 これからは、働くお父さんではなく、働くお母さんが、労働意欲の高い子供を育て、同時に生産性のある職場を作ると思っています。

 世の中で、労働しないことが理想であるかのような表現が出回っていますが、本当に悲しいことです。

 「人は、遊んでいる時よりも働いている時の方が幸せである。そんな『労働の尊厳』を日本人はもっている」と言ったのは稲盛和夫さんですが、この言葉、ちゃんとはやらせていきたいと思います。
 
 デジタルを崇めすぎてリモートワークで加速する、室内で楽していても命が続くなどと幻想を抱かせるシステム、人の動物的なカンを失わせる国の政策が、これ以上増えないことを、心から願います。
posted by Kuhcan at 07:10| 日記

2022年07月14日

スリランカの破産

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スリランカの破産、
安倍元総理の銃撃、
うちの次男の手首骨折、
それが7月7日から9日に起こった出来事です。

 ちなみにうちの次男の骨折は、時間外なのに近所の先生がすぐに見てくださり、歪んだ部分を直してギブスをはめてくださったせいで、小康状態となりました。誕生日だった息子はそのまま東京に遊びに行き、二日間堪能して帰って参りました。
 
 そんな事はともかく、
国が破産すると、初めて聞いたのはスペインやブラジルの事です。数年経ちましたが下の国は大丈夫で、突然スリランカが破産しました。
 政治の政策がうまくいっていなかったとありますが、妙に茶葉を無農薬で育てロハスにしようとしすぎたり、過剰な設備投資で中国からの借金を増やしすぎたりしたのだそうです。

 正直なところ、いくら政策がまずくても、国が破産すると言うのはものすごいことで、やはり、暑すぎる寒すぎるなど気候が悪いのか、それとも1部の権力者が富を独占してしまったのか、そういったところもあるような気がしています。

 地球のどの位置に国があるか、で国の豊かさはずいぶん変わってしまいます。
  日本のように、資源は無いものの海に囲まれたせいで敵を防げる立地、山林が3分の2以上を占めるせいで水が十分にあること、先祖が濃厚民族だったせいで温暖な性格であること、
こういった、自分ではどうしようもないものに守られていたりします。

 そう思うと、スリランカとはどんな地の利があって、どんな性格の人が住んで、どんな人が政治を司っていたんだろうと不思議に思います。周りにスリランカ通がいないので、1週間経ちましたがいまだに真相が謎のままです。

 国の気候や国土の豊かさで大きな理由があるなら別ですが、もしそんな条件の悪い中で、人間(為政者)が国民に富を分け与えず破産してしまったのだとしたら、大変残念な話です。

 なぜこんな話をするかと言うと、最近、空き家の相談が増えたのですが、あまりにも、不動産業者さんに知識がないなと思うことが多いです。
 お客さんにとって危ない土地取引を平気で進めようとするので、こういう人が増えると世の中良くないなと憤っています。

 スリランカの政治家がろくに勉強もせず、国をつかさどっていたのだとしたら本当に腹立たしい話です。「秩序を回復せよ」と大統領代理が軍に命令を出したと言うニュースを見て、「生命とは、秩序を自己形成する力」と言う生物学者の言葉を思い出します。
 
 一朝一夕にはできない「秩序」。
日本ももう少し,他者に想いを致す生命力を取り戻したいと思います。


posted by Kuhcan at 18:48| 日記

2022年06月30日

ネガティブな気持ちに名前をつけるよりポジティブな気持ちに名前をつけてほしい。


 インポスター症候群,というのがあるそうです。最近スペインのドラマを見ていて知りました。「自分の功績を、自分の努力や実力の賜物と認めずに、『私は運がいいだけ』『必要以上に人から評価されているだけで、人を騙している気がする』と感じてしまう心の状態」
 をいうのだそうです。

 私、なぜこの症状が日本で話題にならないのか、考えてみました。それは、
 日本が、そもそも、「運がいいだけで人から評価される」と感じるインポスター状態を「謙虚さ」と言う言葉で褒めているからではないかと思います。

 海外ではまるで病気みたいですが、インポスター症候群の感じ方は、日本では普通に、「謙虚な努力家の真面目な感じ方」として、むしろ、他人からは好感を持たれる状態だと思います。

 日本では、ほとんどの成功者が「自分の力は微力で、人や出来事の巡り合わせのおかげです」と公言しています。
 でも外国だと、ありがたいな、と感じるならもっとスタッフに金を払えよとか、そんなにギャラを取るなよとか、なにがしかの横槍が入るのでしょうね。
 本来の真理である「他人のおかげ」が表立って言えない環境がダメなんじゃないでしょうか。

 だから達成しても、そこを狙うハイエナから身を守るように、一生懸命バリケードを張るので、結局は1人になって疲れてしまうのではないでしょうか。

 つまり、外国は、もともと狩猟民族でもあったし攻撃的なので、他人に気を許すベーシックな流れがあまりないのだろうなと感じます。感謝なんかしててもいつ裏切られるのかわからない環境から来た症状なのだろうと思います。

 それに比べて日本は、トップ企業の経営者も世界的な低賃金で有名なほどなので、成功がそこまで金銭的なものを伴わないし、おこぼれを狙う人も少ないから、光が弱い代わりに闇も薄い。(根が農耕民族だから、欲も穏やかなんだろう。)
 だからインポスターと言う言葉がはやらないのだろうと思います。

 また、全く別の視点でも考えてみました。

 「負け犬(古い?)」とか、「マウント」とか、「インポスター」とか、昔だったら生きてく上で普通に認められてきたこと、つまり、人より秀でていることや、何かを達成することが、悪いことかのように言葉になっていきます。

 「達成してない人」に配慮しすぎて、心の弱さへの同調圧力をひしひしと感じます。
 これは言い換えれば、それだけ勝てないと「感じて諦めたくなる」人が多いのでしょうか。慰める言葉ばかり増えたような気がします。

 私はまだまだ発展途上ですし、勝てない人や至らない世界など山ほどありますが、いつか「自分が良いと思う何かを」達成したいと言うむやみな希望を持って生きています。
 それは自分から湧いてくることなので、いつまでたっても満足しないと思います。
 逆に、達成したところで人から見たら大したことがないのだろうとも思います。

 でも、だからのんきで面白いのです。

 そういうポジティブな心理をもっと名前にしてほしいですね。ネガティブなものに名前をつけることばかり、世間が上手くなるのもどうなのかなと感じています。

 
 
posted by Kuhcan at 01:45| 日記

2022年06月20日

石川産の鯛

なんでこんな鯛が398円なんだろう。蛍の光が鳴ってるスーパーで、目も黒々としているのに3匹売れ残っていた。食べないと申し訳ないような気がして思わず買い占め。
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 塩焼きにして食べたら脂がのって最高。
 鱗をとってないのかなと思ったらそれも取ってある。内臓まで処理してある。

 熊本のトマトはパックで198円。

 何でもない日に尾頭付きの鯛を食べてしまった。インフレ真っ最中の日本国にて。

 すごい罪悪感と緊張感。

 でもおいしかった。

 それでも…

 これでいいのかなといろいろな思いさざめく、石川県の鯛なのでした。
posted by Kuhcan at 21:23| 日記

2022年03月29日

春にハッとする

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 春です。
雨上がりの堤防に、とつぜん桜や菜の花が芽吹き、伊吹山はまだ残雪。

 この1週間、全集中の呼吸で仕事をしたら、6日目にヨロヨロになりました。12時間接客耐久レースで憔悴しきったのですが、一晩寝たらちゃんと元に戻って、7日目も無事終了です。
 こんなに目一杯 手を広げちゃって、私もよくやるよ。と、疲れ果てたもう1人の私が呆れています。
 さて、耐久レース中の4時間目、移動中の堤防で見たこの風景。
 昨日までなんでもなかった堤防が、急に春になっていました。
 命の芽吹きって、ほんとにこんなに急に、起こります。まさに花が開くように、花が開くんです。
 この堤防に上がった途端、あまりの命の息遣いに、ただただ無意味にハッとしました。
 
 その時 思いました。
 自分の命は、生まれただけでは足りなくて、こういう山や草木や人の声など、形のないもののからも与えられていて、それを吸収して、大きくなっているんだろうなと。
 そういう考えが、急に自分に浮かびました。
 だから、どれだけ疲れ果てても、私はまだ何かに希望を持って、青春できるんだろうなと。
 この堤防は、羽島市小熊町の境川の南側の堤防です。大人になって初めて知った場所ですが、この堤防の景色が変わるたびに、なぜか、幸せな悟りような思いが、四季折々で閃きます。
 相性の良い堤防です。
posted by Kuhcan at 03:45| 日記

2022年03月05日

ペンと金槌をもて

津田梅子 いよいよお札になりますね。

「男を立て従うことが女の道じゃない。そんな結婚ムリ!」

「自分の頭で考えてないから女はダメなんだよ。
それに自分1人じゃ稼げないから男から自立できないんだよ。
 だから私、学校作ります。」

 100年前に仰ってたこと、テレビを見ながら何回も「これまだ私も言ってる!」と叫ぶ羽目になりました。
 そして、言ってて、100年後なのにまだ若干、まわりから浮きます。女の人からも浮きます。なぜかその言葉で傷つく人までいます。(今の自分の暗たんたる状況に気づきたくないため。)

でもずいぶん良くなりました。
 特に大阪なんかでは、こういう女は喜ばれるので、ほんとにあとちょっとなんじゃないかと思っています。残念ながら住んでいるのが岐阜なので、アホみたいに古い人たくさんまだいますが、私の場合は、夫や父が、女性の優秀さも好きな人なので、家に帰ってリセットできるので良いのですが。

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 梅子先生。
あの時代に始めてくださってありがとうございます。先生があれだけ嫌悪した隷属的な結婚ではなく、こうしてパートナーシップのある結婚ができる時代になりました。
 女が賢くても生きる道がたくさんある時代になりました。

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 これからの世の中は、子供を産む人と経済を回す人が、うまいこと共存できるかにかかってます。産めよ増やせよですが、どうしたって子供を産むと仕事は本当に支障が出ます。そして人口の半数である男性は出産できない問題があります。
 ここ、育児さえもある程度ワークシェアできると本当にいいんですけど。幼少者を教育できるプロの養成をわたしはずっと望んでいます。

 あと、これはうめ子先生からは少し外れますが、ワーカーとインテリも、まだ分断気味なので早く融合するといいなと思ってます。

 手を動かしてくれる人は国の力。
 頭を動かしてくれる人は国の心。

でも天才でない庶民の私たちは、力あり心もある必要があると思っています。みんながもっとベタな仕事とクリエイティブな仕事、2つとも喜んでやるようになればいいなと思います。
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 理想社会まで道のりが遠いですが、この年になり、何が理想かがわかるようになっただけでも進歩です。ありがたいと思ってます。

 余談ですがTVでは…古民家の縁側の柱が杉なのがどうも引っかかりました。ちょっとそこ残念。
 100年後の日本に向けてわたしは、古民家再生やってます。
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posted by Kuhcan at 23:53| 日記

2022年02月14日

経営者は、日曜日休まんといてほしいんですね…合法だから。

 私の大好きな高井法博(税理士)先生は、いつも上記タイトルの通りを、真顔でおっしゃってて、私を笑わせます。
 「会社の経営状態が悪いんです、と言いながら休んでいる人がいるんですよね。ちょっと信じられませんよね…。
 あのォ〜、赤字の会社の皆さんは、休まないでいただきたいんですよね。
 というのも、従業員には労働時間の制限がありますがね、経営者にはないんですね。
 つまり全く合法的に、365日24時間働けるわけですね。
 それなのに休んでいる人がいるんですね。
 私にはわかりませんね理由が。」

 三重の古民家再生協会の支部長が、私にこのセリフを聞いてから、働くのがすごく楽になったと教えてくださいました。「だってオレ、働くの好きなんだよ。本当は。」

 みんな働き者ですね。ウチの大工さんを始め、だんだんこんな人ばっかりで私の周りは固められていきます。類は友を呼ぶ。

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 ところでその先生が、
面白い絵(額)を貰われました。

 明治生まれの小説家、武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)の直筆の額です。

 それだけで十分、驚愕(ちょっと韻を踏みました。)なんですが、高井先生は、そんなことで面白がってちゃいけない、裏の、武者小路直筆のこの手紙を読んでくれ、と言うわけです。

 詳しくは忘れましたがこうです。

「〇〇くん、僕は、旅行に行きますので20,000円ほど送ってください。10,000円ならすぐでしょうから、すぐ送ってください。あっ、でも続きのお金もすぐくださいよ。
 と言うのも、原稿料が入ると思ったらちっとももらえないし、君が貸してくれると思うので旅行に出かけるんですから、なければ困るんです。だから早くね。
 妻は病気で心労もかけたくないので、つまりは君が頼りなのですから、僕が旅行に行くためには、君が必ずお金を送ってくださいよ」

 とこんな調子の、お金を無心する手紙なのです。
 一体どういう関係の人にここまで図々しくお願いできるのかよく分かりませんが、あまりに自分勝手なので、横で読んでいた設計士の八神先生が「俺の昔のボスにそっくりだなぁ…このノリ。」と苦笑いしておられました。

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 時期的に、おそらく戦前だろうと言う話になったんですが、80年位前の借金話のやり取りが、たった今行われているかのように感じられました。
 古民家や何百年も経った建築を見ていると、歴史が歴史じゃなくなる時があるのですが、言葉こそ、本当に不思議ですね。昔の人がすぐそばにいるような気になるんですから。
 確かに、渋沢栄一の理論がいまだに素敵だったり、1000年前の吉田兼好の描く人間の性質はいまだにそんなもんだなと思ったりしますもんね。

 48年間生きてきた感じと、こんな体験がたくさん入り混じって、私最近、歴史を歴史と感じない感覚がわかってきました。遠い世界なのではなく、現代のちょっと前なだけなんです。

 松下幸之助が500年先を構想した理由、ガウディがサグラダファミリアを500年で完成させようとした感覚、ドラえもんがどこでもドアを持ってるセンス、
 昔はとんでもないことだと思っていましたが、今なんだか身近です。

 48歳って、年取って惨めと言われがちですけど、歳をとらないとこんな不思議な感じもわからない。これからもっと耄碌して、100歳になる頃には現実とあの世の境がなくなり、そして安らかにこの世からフェードアウトできるんだなぁと、なんだかわかってきました。ふわっとするのは幸せです。

 だからせめて85歳までは、矍鑠と地面を踏みしめて、世の中の役に立っていたいなぁ。そのためにはやっぱり、日曜日も、休まずに居れる青春人生、送ろう。と思うのでした。

 
posted by Kuhcan at 23:14| 日記

2022年01月22日

小3の算数の図形

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「算数の授業で作った」三角柱、円柱、四角柱があったそうで、当時小3だった長男が
「先生がずっとちゅーちゅー言っとったで」作ったネズミ。

 ネズミはできたけど多分「ちゅー」が「柱」の意味とは知らずに授業を終えてます。

 漢字が読めるのが賢いのか、瞬時にこのプロポーションを決めれるのが賢いのか?

 私は後者の方が面白いと思ったので、彼の社会性(の足りなさ)をスルーして育てました。結果、小4から高3まで、宿題や書類を出さないので、先生に嫌われて軽蔑されて大きくなりました。

 学校ってそんなところがありますよね。
試験の数値と、集団への姿勢で、評価に至ります。このネズミが作れる価値は低い。中には運動会でMVPでも体育で3をつけられる子もいます。

 だから、現代の複合的なアルゴリズムが成立してない学校に、私は抵抗感があります。
 夜、狭い家に近所の子どもを集めて伝えるのは、「学校から評価される事に自分のモチベーションをおくな」という事。生命力や感性を学校は評価できてないとおもいます。逆にただ記憶力が良いだけで賞賛される子供にも、警告を鳴らしています。妄想力や「やってみたい」がなければだめだと。

 そして、学校に媚びなかった長男は、高3のオープンキャンパスで模型を作っただけで合格をもらってきました。「芸大を受験するなんて、なに様のつもりか!?親不孝者」とまで担任に言われていましたが、そこでへこたれなかった彼はアイデンティティがしっかりしています。

 芸大の案内本を読んだら、先生たちが多種多様な価値基準で若い世代を育てる気概を感じ、彼はようやくここに辿り着けたなと感じました。

 だからそれまで12年間、不提出の王様だった息子は、「提出物」で優をとれる子に瞬時に変わりました。
 1月1日から先輩の作品の手伝いに行き、おばあちゃん家の一戸建てに友達を招き入れて夜昼なく自分の作品も作っています。
 寝れないとお婆ちゃんに嘆かれたので彼女と部屋も借り、1日一食しか食べないし契約書も書けないし電気も点けっぱなしなのに、独身で終わらぬよう早めに結婚するそうです。

 小四くらいで一旦は消えていった彼のクリエイティビティーが、こうして10年後に復活し、評価されているのを見るのは感慨深いものがあります。
 そして、これだけ親に放っておかれ先生にバカにされても、ちゃんと人を手伝い、甲斐性をみせ(ようとし)ていることにも。
 
 私はここに稲盛和夫氏の言う「宇宙の法則」を感じます。万物は(元素や素粒子に至るまで)、そもそも成長発展するように宿命づけられているという物理の哲学です。

 私は、自ら燃えるタイプの人達と会社を運営しています。最近、「自分はそうでもない。どこからそういうのが湧くんだ?」と訊かれました。

 その人は、湧かないんじゃなく、気づいてないだけです。
 湧いているのに、力を誰かに逸らされたり、押さえつけられたりして、自分の力を発揮できていないだけ。発揮できる喜びを、親や周囲から教えてもらえなかっただけです。ぜひ早く自分(の善良な部分)を見つけてほしいと思います。

 しかし人間は誰でも「私が私であることを邪魔してくる横槍」には遭遇します。そこをどうかわし、逃げるのかを、夜な夜な子供達に教えています。

 その一方、横槍のなくなった世界で、自分の力をどう正しく使い育てるのか?も見ています。
 自分の快楽のためだけに使わないように気をつけて育てます。

 なぜなら脳科学者が言っていました。
 自分のためだけに使う力は弱くなり、
 人のために使うとそれは強くなると。
(フランス人の高僧マシューリカールを研究して得られたデータ。自分の幸せを願っている時より他人の幸せを習っている時の方が脳は500倍も多く活動した。)

 みんながそれぞれ持つ力の、美しい発出。
 
 これが人生で1番の慶びで幸せだと私は感じています。私や私の会社が 誰かのそんな場所になれば良いと願っています。

 



posted by Kuhcan at 10:15| 日記