2023年12月30日

古民家再生ショールーム 誕生

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2023年もお世話になりました。
今年は、古民家再生ショールームの拠点として
新しく「すのまた宿 池田屋脇本陣」を誕生させることができました。
古民家再生の取り組みや、
丁寧に作る家を見ていただきたくて、
モデルハウスを建てるか?
古民家移築のモデル棟を建てるか?
と迷っていたところ
すのまたで800年の歴史を持つ安藤家のお屋敷を引き継ぐことになりました。
新店舗になるこの脇本陣では、
新しいスタッフと私吉田良子が、交代で店番をします。
焚き火でお餅を焼いたりお肉を焼いたりしたい大工さん達も、ふらっと寄ってくれる名店(?!)です。
平塚家具のヨーロッパブランドのベッドやソファが入っているので、格安で宿泊体験もできます。
2024年は、夏頃に
お風呂を作り
芝生の庭を完成させます。
スタッフがいる日は芝生や裏の空き地を開放して、小さなお子さんがふらっと来て、ふらっといなくなれる、近所の一つにしたいなと思います。
(イメージは、ドラえもんの土管の空き地です。)
この脇本陣は「出世」
がテーマなので、
建物のオブジェクトはもちろん、
ここで行うイベントは、
人を励ましたりやる気にさせたりする、愛情のあるものにするつもりです。
皆さんぜひ一度足をお運びください。
年始は5日からオープンします。
良いお年をお迎えください
岐阜県大垣市墨俣町墨俣115
すのまた宿 池田屋脇本陣
株式会社 空間建築工房
posted by Kuhcan at 11:10| 古民家再生協会

2023年07月25日

家の声

 「あなたの仕事は、家の声を聞いてそれをカタチにする。良い仕事だよね」とある方に言われました。
 シブい人だと思いました。私が「お客様の声」でなく「家の声」を聴いている、と言われたからです。
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 もうすぐ雨漏りを直す大工がいなくなると私は思っていて、クーカンではその育成のために、丁寧に家を治します。
 直せば直すほど、新しく家を建てると言う意味がよくわからなくなってきて、実はブログが全然書けませんでした。
。。。
 
 丁寧に家を見ると、丁寧に家を建てても、長期的には多分違うなと、思うことが増えてきてしまっていました。
 人間の要望と、自然と共生する家は、相反するな、と気づいたからです。
 「お宅は雨漏りが心配ですよ、うちで工事をしましょう」と20〜200円円の見積もりを持ってくる会社はみんな悪徳業者だと先日書きました。
 本来なら「家を持つ」って一生の財産をかけた大仕事ですが、皆さん家を建てるきっかけが
・一軒家を構えるような年頃になった
・お金が貯まった
・お金がないけど、借りれることになった
が大半なんですよね。
私は、最近、こういう仕事は若いスタッフに任せています。その方が、アイディアがフレッシュだし、お客さんの意見を聴き、建てるからです。
 私の本音を言うと、「施主の夢や希望の100点を目指すと良い家はできん」と思うことが増えてきました。そこで、「80点でやめましょう。」を若いスタッフの影から全力で言うという仕事をしています。
 
 完璧な家を作ると、メンテナンスがものすごく大変になるためです。
 その場合、その家は将来なにに困ることになるか?、そのどこに一番目のメスを入れなければいけないのかを、ホームドクターとして考えています。
 最近家も高くなったので、皆さんは「一生の買い物」と思っていますが、本当は20年を過ぎれば何度でも手を入れたり修復したりは必要です。日本の四季や湿度、天候が荒いからです。
 80%で止めておくと、20年後のメンテナンスが楽です。つまり安くつきます。それでも、60年目になると壊したくなるかなぁと言う気がします。
 私が古民家が好きなのは、130年目でも壊さずに直たくなる情緒があるからです。今の新築は、100年経ったら情緒は一切なくなると思います。
 だからきっと、建てた本人がいなくなれば壊されてしまいます。それってゴミなるんだなぁと、60〜100年でゴミになる家は嫌だなぁと、100年後思ってくよくよしています。
 
 そんなわけで、新築こそ全力で建てています。
 最近、新築用であるこのブログが書けないのは100年後のクーカンの家の矛盾に気づいてしまったからです。kuhcanの家は頑丈で嬉しいと言われれば言われるほど、次世代の方のメンテナンス費を思って、心配になっています。
 だから冒頭の「家の声を聞いているね」はうれしいご指摘でした。
 別のお客様から「ウチの家はどこが1番辛そうしていますか」と、築60年の調査を依頼されました。ご自分ではわからなくても、何か辛そうだな、ということは感じていらっしゃる。これからはこういう仕事をしていきたいと思います。家の声を聴く仕事。
 家づくりは、実はこの感性が本当に大切です。
日本の家は、木や土や竹という植物でできているので、呼吸をします。この呼吸が、セメントや金属の板などで塞がれて、呼吸ができなくなっている。(または、その中で木が腐っていく。)
 ここに異常性がありますが、現代風の家は、たとえ私どもの建築であっても、セメント板や金属板で覆うことが多いのです。
 これは、はっきりした理由があって
「木、土、竹で作ると、時間が経つと乾燥して隙間ができ、家と外がつながってしまう」クレームを避けるためです。
 
 つまり、蚊やゴキブリ、強い吹き降りの雨やネズミの侵入を塞ぐために、家の声が聴きづらい建て方をするのです。
 最近、古民家を触れば触るほど、「隙間はあってもいいなー」と思うようになりました。
 そして、断熱のことをとやかく言っていますが、紙一枚(障子)だけで締め切った部屋が、夏なのに涼しいことにも驚かされます。
 2023年7月の今は、古民家リノベーションも、新築も2軒ずつ工事中です。どちらもご見学可能ですので、ぴっちり頑丈な新築と、築130年の古民家、比べて見たい方はぜひ、弊社までお声掛けください。
 
 
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posted by Kuhcan at 02:11| 古民家再生協会

2023年03月02日

歴史的建物の管理〜だれと出逢ったか?の旅をめざして

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今年から、大垣市景観遺産「すのまた宿 池田屋脇本陣」の管理を行っています。

この建物は、鎌倉街道周辺の街であった墨俣に住んでおられた「安藤伊賀守(いがのかみ)」さま末裔のお屋敷で、古くは1300年以上前から、わかっているだけでも戦国時代には登場している一族のお屋敷です。

現在の建物は築130年。写真に写っているのは増築された築110年の建物です。

この建物は、長い間おばあさんお一人が住んでおられましたが、あまりにいい建物なので、15年前から松岡さんと言う女性の旗振りで、「地元の女性の手で」企画された「つりびな小町めぐり」祭りの拠点になっています。

15年目の今年からは、弊社の管轄になり工事中で、きれいなつりびな飾りができなかったため、お詫びに無料の休憩所として1部を解放しました。

すると、休日で500人、平日でも300人近くの人が訪れます。墨俣には秀吉の出世で有名な一夜城があり、花街として栄えた歴史もあることから、町歩きのお祭りなのですが、ほぼ全員がこの脇本陣よって行かれます。

というのも、宿場町であった歴史も今や昔、老朽化で町屋のほとんどが取り壊され更地が目立つ、風通しの良い街になってしまい、それらしく見るものが少ないからです。

それでも、今回の無料休憩所を通して分かった事は、「旅はみちづれ」。
 つまり、誰に出会ったかで、良さは変わるのだろうなということです。

 寒風、吹き荒ぶ街中をつりビナをたどって回り、温かい脇本陣でホッとしてコーヒーを飲む。そして、建物の由来を私たちと話ながら、コロナの収束を喜びながら、お祭りの女性たちの手作りびなやお土産物を楽しまれ、「お祭り参加記念品」をもらって帰っていかれます。

「このお祭りは優しいお祭りやねぇ」
「町の人のすごい努力が胸にしみるね。」
「誰にあっても、親切で本当に今日は楽しかった」

 工事中でも閉まっているといけないと解放し、工事中だからとコーヒーも無料ですが、特に寒い日に立ち寄られた方が、本当に暖かくて助かったと帰られるので、社員一同満足度が高く、もはやみんな、本業は一旦置いて、まつり当番に行きたい位の感じになっていますにこにこ

 これからも、「いいところに来た」「いい人やものに出会った」と言っていただける仕事したいなと思いました。建築だろうが観光だろうが、大事にすべき事はいつも同じです。


 8月のオープンに向けて絶賛工事中です。これからはいつでも立ち寄れる場所にしていきますので、皆様、どうぞ、これからも、気軽に足をお運び下さいませ。




posted by Kuhcan at 06:51| 古民家再生協会

2023年01月05日

システム

今年の業務が始まりました。
ありがたいことに、来客、電話、が終日続いた初日でした。
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 昨年末、コロナに罹ったせいで宿題仕事がたくさんです。が、同時に年が明けたおかげで、普段の考え(この会社で何がしたいのか)をお蔵出しして、虫干しして、天日干して、さらにひっくり返して、干し切って、水で戻して、整えてお皿に出せるくらいの時間が与えられました。
 すごく良いです。
 夫の実家である大阪から帰ってくる間に、その気持ちを話したところ阿吽の呼吸で同じでした。
 
 夫は「僕が尊敬する人たちはみんな、効率とか段取りとかシステムとか言わず、『わざわざこんな険しい道を…』と思うところを一歩一歩踏みしめて、傷だらけでそれでも一山一山、自分だけの道程で越えておられる」といいました。
 主にそれは、古民家再生協会の支部長達です。
 愛知の戸田支部長…。70歳を超えて、憧れていたヨーロッパやアメリカUSA、林野庁、名古屋港…(市長はもちろんのこと)、と交流し、古民家を丁寧に再生しています。
 讃岐の山倉支部長…。「無人島を放って置いたらアカン」「引きこもりの子を増やしたらアカン」と言いながら船で船ボランティア清掃に向かい、ヤギと相撲を取り、夏休みの子供学校を手弁当で40日たっぷり運営しつつ、アメリカで補助金をもらうほどの古民家移築を成し遂げています。しかも苦労して得た輸出のノウハウを余さず戸田支部長に御伝授なさいました。クリスマスは毎年サンタになってプレゼントを配り歩きます。
 お二人とも、古民家を再生させることで、僻村に人の流れを作り、地域を冨ましめようされています。そして
「自分のやりたい事(建築)で、世間の役に立ちながら仕事人生を終われることがどんなに幸せか!」と自分の人生に感動しています。
 私たちの社長としての使命は、こういう純粋な心で人生を終われること、またそういう人を増やすことなんだろうなと思うのです。
 
 宇宙船開発の植松努さんはこう言います「貧しい国を見てください。そこにはどんな人が住んでいますか?泥棒やギャングです。貧しい世界では、人は他人から奪います。何も与えられてこなかったので、その人には奪う以外生きる道がないからです。ですから、あなたは、人に与えられる人になってください。何もない人を作ってはいけません。あなたが与えて、何ももらえなかった人がいない世の中にしてください。それが私たちの道です。」
 忙しかった年末を無事にやり遂げてくれた社員5人を見ていると、うちの会社では、もうみんな与える人なんだなと思いました。晴れやかな気持ちになり病床で一人感動し、むしろそのリーダーである自分は一体?と重責すら感じる始末でした。
 「無駄なく、迅速に、誰がやっても同じように、仕事をしましょう。と会社では教えたくないんだ」と、私たちは思います。いくら会社が成功すると知っても、そんな働き方をしなくてもいいのです。
 あなたがあなたでしかない部分で、勝負してください。そして建築の仕事をしているとしても、それは「モノ」を造るためではなく、誰か「人」のために仕事をやっていることを忘れないでください。あなたという個性が、この業界で何かを生み出し、与えられるから、仕事をしている。それが真理です。
 お金を得るために創造し配ることをシステム化してはいけません。いくら綺麗事と言われてもその気持ちは全く変わりません。システムの中では、人はどこか歯車という「部品」になってしまうからです。
 「仕事に、人生に、魂を宿すためには、自分が生きていて、人間であることを忘れてはいけないんだ。そしてその自分の横にいる誰かも、命があり生きている事を忘れないでください。」
 これが今年の初めの、夫のあいさつでした。
 
posted by Kuhcan at 21:06| 古民家再生協会

2022年12月14日

解決力が上がっています

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2022年12月10日、半年ぶりに古民家再生協会の地区大会がありました。弊社はスタッフともども7人になり、ずいぶん勉強に行きやすくなったので4人で行ってきました。

すると、全国の支部長たちにお会いできました。
・伝統再築士会の兎洞理事(大分)
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・全国古民家再生協会の杉本理事(神奈川)
・伝統再築士会の鶴谷副理事(兵庫)
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・岡山第一支部長 正田さん
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・香川第一支部長 山倉さん
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posted by Kuhcan at 08:10| 古民家再生協会

2021年07月23日

養老の滝〜観光推進の視点から

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古民家再生協会で連携中の岐阜県養老郡養老町。
先日、弟夫婦が子どもたち(11人中6人)を連れて遊びに行ったそうです。
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送られてくる涼しげな写真。
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田舎の夏を満喫しています。
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有名な養老の滝までハイキングして
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替えの服も持っていないのに結局びしょ濡れになる人たち。(平塚家はこーゆー大雑把な実家です)。微笑ましい。


 自分がこの街の観光アピールにちょっとかんでいるので、この写真の見え方が、ちょっと変わってきます。
 自分ちの甥っ子姪っ子でモニター調査している気分。

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 昨日は町議員の早崎先生も弊社の取り組みを聞きに遊びに来てくださり、「空き家対策から観光アピールまで、力強い活動で、面白い!」と大変喜んでくださいました。
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 これも、古民家再生協会・養老町会員の堀さんのおかげなのですが、堀さんが昔から「養老町をもっと良くしたい」と、純粋な思いでただただ念じてきたのが形になっていて、「善きことを思い、善きことを行う」(稲盛和夫)後の、力強さを感じます。

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1300年以上の歴史を持つ養老町。
「平成」「令和」などの言語で、5番目が「養老」なのですが、名付けられた理由が「当時の天皇が養老に行った際、あまりに美しい土地だったので改元した」と言う、他の例にない珍しい愛でられ方をしています。
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こうして、純粋な観光の視点からの写真を見せてもらうと、往時の勢いが伝わってきます。
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この流れ落ちる滝の清らかさと勢いを持って、これからもいろんな仕事をしていきたいと思います。
posted by Kuhcan at 06:22| 古民家再生協会

2021年06月18日

歴史的建物を残すための資金集め活動もしています。


 古民家再生協会の活動として、歴史的建造物を残すために、自治体と企業をつなぐマッチング会を行ことになりました。これは内閣府が後援してくださっている正式な活動です。
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なんと、今回の参加企業は、経済トップ50社に入る立派な上場企業ばかりだそうで、募集する資金も一社だけでかなりの額だそうです。詳しくは言えませんが。。
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 今回は、養老町が、国定公園内にある明治の旅館を支えるために立ち上がってくださり、女将とともにプレゼンをされます。マッチングが成立したら素晴らしいことです。


 さてこんな大それた会が行われるため、今週は、5月の決算会議や戦略経営会議、古民家の例会、自治体への説明行脚で、まともに建築の仕事をしていません。


 そういう状態はものすごく落ち着かないので、久しぶりに工事現場に寄りましたが、心なしか職人さんが冷たく感じるのは、私の後ろめたさ心の裏返しかもしれません。


 しかし現在、社員5人の会社に40件をこえる案件をいただいており、1週間があっという間に過ぎて行きます。提案と打ち合わせだけで時間が過ぎ、現場は心の目で見るしかないような状態。


 ですので、現場監督の安村さんの活躍、営業事務に岡さんのサポート力、設計の秋丸さんのぶれない綿密さが輝いています。
 夫は、私の姿を見てますます設計と現場管理に専心することにしたそうです。


 そういう意味では非常に、集中して会社全体のことを考える環境をスタッフたちに作っていただいているなと感じます。



「 私が現場を見れる時代が終わってしまった。」
という寂しさいや罪悪感は、まだまだ残っているのですが、欲張らずに、提案や現場調査はきちんとやっていきますので、皆様よろしくお願いします。
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posted by Kuhcan at 01:56| 古民家再生協会

2020年07月09日

ズーム500人例会は圧倒的に…

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 7月8日は、全国古民家再生協会の全国例会でした。ズームとは言え500人が参加し、全国60拠点から配信受信がされました。飛騨川の決壊により、岐阜支部では開催さえ危ぶまれましたが、西濃地域の何とか6人だけは参加。会議室に集まってズームをつなぎ、残りの方は家からのズーム参加となりました。

 感想を一言で申し上げると…。
「やっぱ所詮オンラインは水臭い」
と言うことです。500人が集まる熱量も、再会するほのぼのした楽しさも、隣り合った人から聞く面白い話も何もない。人に会うと言う事の本質というか、相互のコミニュケーションがないと、インスピレーションが全く働かないことを思い知らされました。

 私は毎年東京の永田町周辺ホテルで行われるこの全国例会を本当に楽しみにしていて、メモなんて膨大な量を取ります。丸3日ほどあるのですが、全然飽きません。脳が疲れるほどいろいろ考えたり感じたりします。

 しかし、双方向のやりとりのない、画面から流れるプレゼンを聞くのは1時間が限度でした。中には良い話も多いのですが、切り取ろうと思えるのはわずかで、特に、全然知らない人がものすごく小さな画面からしゃべっているのを見ると、しらーっとする自分がいました。いつもだったら「この面白いおじさんと後で話に行こう」とワクワクしながら聞くはずなのですが…。

 新型コロナや各地の災害でステイホーム。早くオンライン打ち合わせに切り替えなければいけないのはわかっています。しかし…生きている以上、「現実」と向き合い続けているわけで、3mの2次元スクリーンから流れてくる「バーチャル」は、私にとってはやはり妄想の世界、死後の世界みたいなものです。

 500人も集まっていたのに、たった4人ほどの話を聞いただけ…。それは500人の意味があるのでしょうかね。すごくもったいない気がしました。全然面白くない! やっぱり人との距離は取りたくない!

 とは言え、私も感染予防の対応に日々追われ、日本も再び外出自粛を強いられる昨今。現実こそ、バーチャルが正解です。それはわかっています。
 しかしコロナと言う現実の前でバーチャルを選ばざるを得ない、これは大変なことだなと改めて気づきました。人とモニター越しでしか話せない世界、思いもかけない形でたくさんの心と頭脳を取りこぼしていくと恐れさえしました。

 あー、早くパーティーしたいですね。野球も思いっきり応援したいですね。子供たちにもたくさん勉強を教えて大声で笑いたい。お客さんともずっと喋っていたい。質問が来たらすぐ現場に走ってきたい。おしゃれな所に佇みたい。

 そのためにはコロナに負けない体作りをがんばります。ちなみに、3週間前始めた夜のウォーキングで、1.5キロ痩せました。お腹の周りに付いていた浮き輪はほとんどなくなりつつあります。マイナス3キロまであと半分。無駄な脂肪を筋肉に変えつつ、バーチャルなリアル世界を乗り切ろうと思います。
 
posted by Kuhcan at 05:21| 古民家再生協会

2020年04月12日

古民家ゲストハウスの完成です。

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できました。
ふわふわタオルで有名な浅野撚糸株式会社の
築52年の古民家ゲストハウスです。
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間に合わないと周りに心配されていましたが、予定日に完成です。あいにくのコロナで、記念セレモニーがなくなってしまいましたが、このタイトなスケジュールでやってくれた職人さん達には本当に感謝です。あと夫は、終わって6キロ痩せたのが、1日で1キロ戻ったそうです。もじゃもじゃ頭でご心配おかけしました。
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↑古民家再生協会の耐震ダンパーを入れたこの壁はこんな感じに仕上がりました↓
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(写真中央奥の、曲がった壁の中にこの地味な耐震装置が埋め込まれています。)
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せっかくの大規模リノベーション。古く見せたくはないので、時間がないと言いながらも曲面やニッチ(くぼんだ棚)など取り入れています。
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見上げれば、大きな棟木が横たわっている吹き抜け空間も作りました。この畳の大広間は、まるで御殿のようです。
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円窓から見ればこんな感じです。
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庭には、またもや滝をつくりました。
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ほんの2ヶ月前まではただの土の山です。
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人工的に滝を作ると、水を地面に吸ってしまうため、見えないところに防水シートが張り巡らされています。


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ショップの裏側に坪庭も2つつくりました。
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社長は、「夢創の家」
と命名なさいました。
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みどりの和室は、昔のまま残してあります。先代が、ご兄弟の家を全部 建てて差し上げてから最後にようやく自分の家をお作りになったこの家です。
 最初は、壊してしまえと言われたこの家ですが、こんないいものを壊さないでくださいとお願いしてリノベーションをする運びとなりました。
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二階の奥も、ガラス張りにして会議室になるそうです。手前はお客様がお茶を楽しんでいただけるカフェブースだそうです。

 令和2年4月21日がお披露目です。
ぜひ皆様足をお運び下さいませ。


〒503-0123 岐阜県安八郡安八町南條683−1付近
posted by Kuhcan at 17:05| 古民家再生協会

2020年03月27日

美濃加茂市にて古民家鑑定

美濃加茂市のご依頼で、古民家再生総合調査を行いました。
岐阜支部には今年から床下検査ロボット「モーグル」がありますので、大下支部長 張り切って調査です
残りのメンバーは手分けして古民家鑑定
最近は手慣れてきて、二人1組で、鑑定と入力を行なっていきます
こんな情緒のある二階
2階に茶室まである豪奢な造りです。
屋根はこんな感じで立派な昇り梁。火打もあります。大正の建物でこの時代には珍しく筋交いまであり、そのせいか柱は数ミリしか傾いていませんでした。床は3mで5cmも下がっているのに垂直材が傾いていないのでおどろきました
午後は耐震診断士の吉田支部長。 「風で家が揺れすぎて、良い数値が出ない…」 そのことでこの診断は次の日の朝、再度行いました。伝統耐震診断は、地面の揺れと建物の揺れを見て耐震力を測る診断なので、それくらい繊細です。
裏には山がある素敵な古民家、残して行けたら嬉しいです。 吉田良子 
posted by Kuhcan at 14:05| 古民家再生協会

2019年07月25日

ロマンかホラーか 〜明治建築〜

  昨日は東京、松山、下呂、大垣地区から14人もが一つの建物に集まり、全国古民家再生協会として調査と検討を行いました。明治建造、築140年の建物です。
  さすがに痛ましい箇所が数多くあり、

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 例えばこの屋根先の崩れの下の壁は、壁が6,5cmも外れて雨が降り込み放題です。
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中は、使っている部屋なのにこんなふう。
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  裏では屋根の上に「草原」ができてしまっていて、根から伝わる水気でその直下の柱が腐り、建物中央が3cm以上沈んでいます。(しかも隣と僅か90cmの距離です。) 
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  建物が好きな者としては「痛ましい」所があまりに多く、これを自前でやりくりしてきたという施主さんの気持ちを考えると切ないような気持ちで、真剣に見てきました。

  明治の建物で140年経っています。中の調度は、平面計画も含めて、ロマンやエピソード溢れるアンティークの世界です。

  建築のわからない人には「古くておどろおどろしい」部分もありましたが、建った当初の勢いを想像できる私としては、「粋な」感じなんです。

  どこを昔ながらに残して、どこを現代風に受け入れられるようにさっぱりさせるのか?そこは我々のセンスと技量にかかっています。商業的に使われる建物でもあるので、コストの件も慎重な検討が必要です。

  現地の調査に10人も余分に呼び出したのは私の判断なので、前の晩は、それでも調査と検討がうまくいくのか心配で眠れませんでした。

  それくらい、こんな名誉な仕事はないと思っています。良い建物の改修。むちゃくちゃ難しいので、やる気がこんこんと湧いてきます。

  「ビジネスでは、自分のジャンル外の飛び石を打つな」(稲盛和夫)
  「本業に徹せよ。」(松下幸之助)
  の言葉を胸に、宅建士であるにもかかわらず不動産流通業がどうも投資くさくて未だ気が向かない私。建築業がやはり本懐です。

  「ここ!ここを見てください!」と興奮気味の私に「こんな壊れかけのところ見せないでよー。潰したらいいじゃん。」とあっさりした井上幸一さん(内閣官房)。これがアマチュアの反応であるとやんわり教えてくださっています。

  周知を集めて、皆さまにとって最善の方法を考えていきます。

  

posted by Kuhcan at 05:47| 古民家再生協会

2019年05月04日

瓦はわたしの滑り台だった

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GWだ!のんびり仕事できる!
と言うことで、古民家の耐震診断と鑑定に来ています。
  ぴったり今年で築50年のお屋敷。年代としては新しいのですが屋根は京呂組で礎石造りのいわゆる古民家です。

  持ち主様は、住処としては1周したこのおうちを壊してしまうとおっしゃったのですが、あまりにもったいないので、リノベーションで住んでくださいとお願いし、解体は免れました。

  また、この持ち主様は、新しいことや業界のためになることを手助けしてくださるのが大好きな方なので、本日鑑定に至った次第です。  
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  とりあえず、ほとんど雨漏りや壁のヒビもロクにない内部を鑑定してから、屋根に登ってみました。
  家紋入りの立派な鬼瓦。

  この鬼瓦って、一つ一つ鬼師という細工師さんが粘土で型を作り、その型を焼いて、そこに瓦の材料を入れて焼き上がるってご存知でしたか?
  このように立派な家紋入りの鬼瓦を見たり降り棟の先っぽの可愛い鳩なんかを見ていると、この家に飽きたので壊すなんて残酷なことに加担しなくて済んでよかったなって、しみじみ思うんですよね。古民家再生協会に出会っていてほんとによかったです。  
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まさに五月晴れの空の下、屋根に登っていると「いーらーかーのなぁみぃとー  くぅーもぉのーなーみー♫」と歌ってしまいます。風景が歌になってるってすごく素敵ですね。古い歌なのに今も歌えるってこともなんだかノスタルジー。

 いくつになっても屋根に登るのは楽しいひと時です。子供の頃、楽しく滑り台にして遊んでいたのを思い出しました。
  今から考えれば、絶対やらないんですけど。親にも散々怒られたのに止められませんでした。あそこで落ちなかったのは、瓦の神様がまぁあんたならいいんじゃないと言って生かしてもらったに違いありません(笑)  結構な長さをすごい勢いで滑ってたはずなんですけど、落ちるとは微塵も思わなかったんですよね。
 
  そんなわけで今年の紅白は「瓦の神様」で、出場しましょうかねぇ。トイレなんかよりよほどいい唄ができると思うんですけど、いかがでしょうか。聴いてくれるの古民家再生協会の人だけかなぁ。

  って、鑑定のこと全然描かずに終わるブログです。
posted by Kuhcan at 22:39| 古民家再生協会

2019年05月03日

明治の文人や皇族が訪れた旅館〜千歳楼

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  10月に行う愛知岐阜三重静岡の中部地区大会とは、全部で30人以上のプロで行う古民家の大勉強会です。

  今年は岐阜第二支部の、つまりわたしの仕切りですので、候補地として養老の千歳楼が挙がりました。

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  お山にそびえ立つ造り。宿泊客の車のナンバープレートは、練馬、浜松、京都…。都会の喧騒とは無縁の山の上の楼閣です。

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  二階の大広間には、有栖川さまや明治維新の立役者の書。
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  志賀直哉も逗留した部屋にも宿泊できます。

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 ホールもこんな風に、養老の竹林を模したガラス窓から市街地を見下ろせる素晴らしい造り。

  ただいかんせん古いので、「リノベーションしたい」衝動に駆られます。2Fの床の間なんて、写真右の柱が落ちてしまい天井がウエーブ状に見える…。

  明治・大正・昭和で ある意味建物の手入れが止まっているこの旅館。平成を通り越して、令和になったわけですが、デザインが一周以上まわって、珍しい建物は建物なんですよ。
  使ってある大理石は国産、しかも石目が整っていて美しいですし。

  それでも「会議はともかく、治したい!このままフカフカに柔らかくなっていくこの建物を保存したい!」という事!!

  岐阜の第一支部長・大下さんが、「これはなんとかせんといかん!」と半ば怒りながら飛騨に帰っていかれました。

  さあ、支部長にそう言われては内閣官房の名を拝した井上幸一顧問に電話をかける時でしょうかね?メンテナンスをする費用、業者、支援者、オーナーの理解とやる気と審美眼。どうやってやっていくか相談してみます。

  第二支部の努力目標ががまた一つ生まれた本日でした。
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posted by Kuhcan at 21:18| 古民家再生協会

2019年04月26日

全国古民家再生協会の全国大会です。

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第9回 全国古民家再生協会
全国大会です。

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  400社を超える一大団体です。
団体とはいえ、参加者はほぼ建築の経営者でいらっしゃるので、会場は落ち着いた雰囲気。

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(事務局長:井上幸一氏と。)
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公明党の議員連盟との懇話会後に始まります。

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  総会で理事の改変が発表されたのち、自民党・公明党の衆参議員の先生の祝辞から会がスタート。
(総理大臣政務官や国家公安委員長 もご列席です。)


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  早稲田大学・安田昇先生の「燃えない建築」の講演。

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「再築大賞」の発表もありました。
一位の「林野庁長官賞」は、
熊本の銀杏建築さん。
「若い方に住んでもらえるごくごく自然なリノベーション」が評価されました。


   残念ながら、弊社の「大垣城下×フレンチレストラン」は落選でした。来年こそはと言いたいところですが、賞を取るための建築はやっていないので、今後も通常運行です。

にしても400人を超える参加者を10人程度でさばき切る事務局が圧巻です。
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高石さんと大塚さんには、いつもお世話になっているのにこの場でしか会えないので、
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カラオケ行きました。(2:00)
銀杏建築の村田さん歌が上手すぎです。
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  それはいいとして、観光庁の英(はなぶさ)さんに、岐阜の観光の愚痴を聞いてもらいました。なんとかしてください!と言ったら、「今度会う岐阜県の人にちょいちょい言っていってあげる」ですって。お願いしますね〜。

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岐阜支部の会員の皆さん(一部)。

奈良、三重、滋賀、愛知、埼玉、の仲良しの皆さんと話してたら全然時間が足りず! カラオケでようやく熊本支部と交流です。

  でも、同業界で仲良くできる会社があるということは宝なので、本当に恵まれた会です。これからもいい関係でいられるように、もっと実力をつけたいなと感じました。と言っても私は営業で、ですけどね。
posted by Kuhcan at 08:23| 古民家再生協会

2019年04月14日

古民家施工例:三重県

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  せっかくの 末っ子小学校卒業の春休みでしたが、まさかの仕事三昧で終わりました。7時に家を出て8時か9時に帰る、という春休み。
   息子には申し訳なかったのですが、私の妹夫婦が三重への旅行に連れて行ってくれたので助かりました。

  そんな中、私も三重にご縁があり、古民家再生協会の完成見学会に行ってきました。
   

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折しも桜が満開の日で、庭の桜も綺麗に咲いていました。

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「古民家」のダイナミズムと日本伝統建築のらしさがある、すごく素敵な古民家でした。
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この美しい内装には、古民家耐震診断を元に耐震装置も施されています。
posted by Kuhcan at 05:14| 古民家再生協会

2019年04月04日

仮設〜リノベーション用

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「仮設って7万円もするのですか?」

と言われることが多いので、ここで写真をあげておきます。

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東の屋根の張り出し部分に土台を転がし

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外壁を貼り、 1番初めの写真のようにお風呂やキッチンを据え付けて完成です。もちろんお湯も使えます。

これでも半額以上サービスです。(この写真のお客様は高いとはおっしゃられませんでしたので、悪しからず… )

夏になったらクーラーが要るので、それも考えて作ってあります。

いよいよ古民家リノベーションの始まりです。

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posted by Kuhcan at 20:55| 古民家再生協会

2019年03月29日

古民家耐震診断

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今日はお施主様がたのしみにしておられた古民家耐震診断。

  大阪の木村伝統再築士をお招きしての実施です。
  同じく伝統再築士である岐阜の2名も参加です。
 
 この古民家耐震診断では、「時刻歴応答解析」の手法を使います。通常の耐震診断は目視で行いますが、m建築士一人ひとりの想像や判断に頼ることが大きく、しかも、国の法律では、コンクリート基礎がない古民家はそれだけで、「耐震性0 (ゼロ)」と判定されてしまいます。
  
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しかしながら、古民家再生協会といたしましては、「戦後まもなくアメリカの指導で勝手に不適合とされたのが日本伝統建築。」との認識を掲げ、「伝統建築は本当にいけないのか」と言う地道な検証を続けています。

  うちの1つが、この古民家耐震診断。市役所の 建築指導課に持っていってもたいていは「時刻歴応答解析ってなんですか?」「それで良い判定が出たとして、どう判断すればよいのですか?」と言われてしまうのが現状です。

 「 古民家が50年を経てもきちんと立っているのは、地面と建物の揺れの共鳴がよく合っているとか、そもそも揺れに誤差がない」のではないかと目をつけて、通常の耐震診断ではなくこの方法を採用しています。

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(地面に耐震センサーを取り付ける木村診断士)

1000回の揺れを測っていくうちに、診断士がつぶやきます「なぜだろう…これは伝統工法の揺れ方ではなく、現代の在来工法の揺れ方だ。ゆさゆさ揺れない。家が固い!」

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それから、色々とヒアリングが始まります。「川から近いので、砂地で土地そのものが固いのではないでしょうか」「  8年前に屋根を葺き変えた、それで屋根が軽いからではないでしょうか?」
 「それが原因の可能性が高いですね」
  正式な解析回答は2週間ほどかかるそうですが、そんな会話がなされました。
 

  施主様は、「あの時高いお金で葺き変えた甲斐があった」とほっとしておられました。このように数値を出すと、こんな精神面のメリットもあります。

  今日はデータを採取しだけなので、これから伝統耐震連合会による精密な結果が出てきます。どうなるのか楽しみ待とうと思います。
posted by Kuhcan at 21:33| 古民家再生協会

2019年03月28日

古民家鑑定

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今日は リノベーション工事の前に「古民家鑑定」を行いました。

古民家鑑定とは、建築基準法に適合しない(コンクリート基礎のない)木造住宅の状況調査し、古民家ならではの魅力と価値を見出す鑑定です。
  全国古民家再生協会が行なっており、古民家鑑定士が2人以上で行います。今回は私たちを含めて4人で行いました

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梁の値打ちを評価中の、田口鑑定士。「通常は松を使うはずの仏間全室に、ヒノキが贅沢に使ってある。」

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床下の湿気を調べる井上鑑定士。
「川が近いせいか、床下の土がかなり水気を含んでいる。通常より多い。普段から、畳がじとじとすると言われているのはこのためではないか」


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屋根にも登り、悪いところを調べます。
「この谷の収まりが悪いネェ」
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吉田は床の下がり具合を測っています。
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合計3時間の関係で、かなりなデータが取れました。明日は大阪から伝統再築士を読んで、機械で家の耐震数値を出していきます。
posted by Kuhcan at 22:42| 古民家再生協会

2019年03月12日

古民家再生 築72年@ 片付け


3月から改修を始める事になった築72年の古民家です。一軒丸ごとのリノベーションなので、家財や生活空間をその間どうするのか、 算段も兼ねて掃除と片付けに行きました。
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どうも写真の撮り方が悪くて、うまく撮れていませんが、
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半年ぶりの古民家改修に胸が踊ります。アンティークを(岐阜弁で)なぶらせていただけるのは、ただただ私の趣味として喜びです。
というより、改修する前の、木が痩せてスキマだらけの建具とか床板とかを、
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モノを片付けながら拭いたり掃いたりするのですが、
まるでサザエさんや朝ドラの時代を生きてるような、なんとも言えないノスタルジーに浸れるため、
私はいつもものすごく真剣にやります。
「建築屋とはいえ、人の家の片付けまでするのか?」と気の毒がられるのですが、片付けながらその家のお道具を眺めたり勲章の額を読んだりしていると、ほのかに香ってくるその家の歴史がステキで、これはむしろ役得なようなものです。モノと時間と私が、言葉なく会話しているので、むしろお施主さんからは、多少の違和感をとなえられるんじゃないかと心配しているほどです。
  ともあれ、このお片づけを通してとてもシャンとした覚悟が生まれます。「この家をがんばって工事しよう」という。C45478BE-E6E7-4223-B3BA-879793EBD155.jpeg
  この家の神さま、私はきちんとやりますのでどうぞよろしくお導きください。
  と、普段は不信心な私ですが、床や壁に向かって祈ってしまいます。時間が経った木や人の空間には、何かが宿っている感じがいつもしてしまいます。
posted by Kuhcan at 22:41| 古民家再生協会

古民家再生 築72年@ 片付け


3月から改修を始める事になった築72年の古民家です。一軒丸ごとのリノベーションなので、家財や生活空間をその間どうするのか、 算段も兼ねて掃除と片付けに行きました。
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どうも写真の撮り方が悪くて、うまく撮れていませんが、
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半年ぶりの古民家改修に胸が踊ります。アンティークを(岐阜弁で)なぶらせていただけるのは、ただただ私の趣味として喜びです。

というより、改修する前の、木が痩せてスキマだらけの建具とか床板とかを、
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モノを片付けながら拭いたり掃いたりするのですが、
まるでサザエさんや朝ドラの時代を生きてるような、なんとも言えないノスタルジーに浸れるため、
私はいつもものすごく真剣にやります。

「建築屋とはいえ、人の家の片付けまでするのか?」と気の毒がられるのですが、片付けながらその家のお道具を眺めたり勲章の額を読んだりしていると、ほのかに香ってくるその家の歴史がステキで、これはむしろ役得なようなものです。モノと時間と私が、言葉なく会話しているので、むしろお施主さんからは、多少の違和感をとなえられるんじゃないかと心配しているほどです。

  ともあれ、このお片づけを通してとてもシャンとした覚悟が生まれます。「この家をがんばって工事しよう」という。
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  この家の神さま、私はきちんとやりますのでどうぞよろしくお導きください。

  と、普段は不信心な私ですが、床や壁に向かって祈ってしまいます。時間が経った木や人の空間には、何かが宿っている感じがいつもしてしまいます。
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