2014年02月09日

家の品格〜和室と応接間〜

伝統、というのは、どういう条件かなぁと考えてみました。

・ 歴史的存在感がある。
・ または、個々の集団が個別の価値観をもっていること。

だそうです。

 なんでこんなことを考えたのかというと、和室をカジュアルに作れ、造れと言わることがきっかけです。

 日本の伝統、和室。
これが、けっこう激しく、伝統を忘れて作られているなぁと思うのです。
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 和室と言えば、
「畳の部屋」というのが、一般の人のイメージみたいですね。現代では、「お客様があった時 布団を敷く部屋(お茶を出す部屋、でさえない。)」という程度にしか思われていないことが多いです。
 だから、使わないから、要らない、と言われるのです。
もしくは、お金をかけないでほしいと言われます。
「年寄りの部屋」と思われるのか、おしゃれな方ほど「嫌い」とおっしゃいます。
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 でも伝統的な意味での和室って、
「格式と品、財と見栄を終結させたおもてなしの部屋」なんですよね。
家人でさえ ようようとは入っていけない、ピリッとした位置づけの部屋だと思います。
とくに現代のように、和室一間〜二間程度なら、なおさらです。

 ただ、おもてなしの部屋としてなら、今は「応接間」を使うわけです。
ありましたでしょう、誰も入らないけどビニールっぽいソファと石調のメラミン樹脂が張ってある赤い木のテーブルがある、あの埃っぽい部屋…。

 だから、和室は、応接間にとってかわられてしまい、「布団を敷く部屋」として、格下げになってしまったわけです。

 しかし、さらに現代では…。
その「応接間」もなくなってしまいました。

 原因は「キッチンなら暖かいけど、応接間は寒い(暑い)。」からです。
わざわざ何時間も前にお部屋をあっためて、生活感のない和室や応接間に人を通さずとも、
すぐにお茶も出せて一番明るいところにある、リビングキッチンにご案内すればいいじゃないの、ということになってしまいました。

 これが、いわゆる「歴史の変遷」だなぁと、しみじみ思うわけです。

 和室は、材料を吟味し、組み合わせれば、美しく張りのある空間になります。
使わない部屋だから家に品位が生まれます。 
 しかし現実には、2千万円そこそこで家を建てると、和室の材料費(柱1本10万円とか。)が、やたら高くつく気になるわけですよね。
だから私も無理には奨めません。

 そうやって、まぁ適当に、洋室くらいの値段でできる程度でいいです、という和室を造ると、
安っぽいラミネート天井に赤いような欅の床の間が出現する羽目になり、(それでも洋室よりはてもお金もかかっている。)
「ほら〜、だから和室はいらないんだよね、美的によろしくないわ。」ということになっています。
(なので、クーカンでは私が沽券にかけて出資して、少なくとも白木では仕上げるようにしていますが。)
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 だから、「簡単な和室を造ってください」と言われるのがかなりきらいです。
自分が日本の伝統と、お金と、家のセンスを冒とくしているような気持になります。

 ここでお願いですが、これを読まれたお施主様は、どうか和室についてもう一度お考えをいただき、
・悪あがきな和室なら畳断ちしてでも、和室を造らない。もしくは、
・畳コーナーでいいことにする。
そしてもし造るなら、
・和室に興味を持って、ある程度の予算も組んでいただく。
ことをお奨めしたく思います。

 わたしほんとうに、和室をしつらえることは、クロスやカーテンを選ぶ以上に、大切なことだと思うんですよ。
和室だって洋室だって、しょせんただの部屋だろ、って考え方ではなくて、
伝統を知り、取り入れることによって、家とともに人生も深くなるような気がいたします。

posted by Kuhcan at 14:40| Comment(3) | お知らせ
この記事へのコメント
正座をしたことがない、「縁側」や「床の間」という言葉も知らない子供が希でないご時世になり、和室の文化=日本の伝統文化が廃れていくことに危機感を感じています。是非本格的かつかっこよい吉田流和室を提案していってください。私の夢は今の和室8畳間を炉が切ってある茶室にリフォームすることです。退職してからですけどね。
Posted by fukuda at 2014年02月22日 07:15
正座をしたことがない、「縁側」「床の間」という言葉を知らない子供たちが希でないご時世になり、和室の文化=日本の伝統文化が廃れていくことに危機感を感じています。吉田さんの建築を通した日本文化への考え方に全く同感です。是非伝統的かつかっこよい吉田流和室をどんどん提案していってくださいね。私の夢は、今の和室8畳間を炉を切った茶室にリフォームすることです。退職後になると思いますが、そのときには是非お願いします。
Posted by fukuda at 2014年02月22日 08:14
 コメント&いつもご支援ありがとうございます!
 京都奈良の住宅になじんでから岐阜に帰ってきたときは、何とも言えない危機感を感じました。岐阜の和室の流れは、もともと田舎風センスなのが、何百年もかけてカジュアルになって、きらわれてしまってる気がします。

 なんでもセンスは大切ですよね。モノが時代を経た時、古臭い、と、風格がある、の2つのベクトルに分かれるすると、センスがないと、嫌われる方になってしまうからです。

「まぁ何でも、お施主さんがいいほうがいいわ」
という、一見親切でいて実は安易な考え方をしてきたのですが、和室に関してだけは、言いたくないなと思っています。

 NHKの趣味Do楽で2〜3月は裏千家(茶の湯)特集。今回は 茶室の紹介も時間をかけてやる日があります。ぜひご覧になってください。

 吉田流和室、まだまだ基本の基の位置にも立っていないですが、「適当」ではなく、「エスプリ」として、おしゃれに考えていきたく思います。応援コメント、本当にうれしく頂戴いたします。
Posted by 吉田良子 at 2014年02月23日 15:06
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