
今年から、大垣市景観遺産「すのまた宿 池田屋脇本陣」の管理を行っています。
この建物は、鎌倉街道周辺の街であった墨俣に住んでおられた「安藤伊賀守(いがのかみ)」さま末裔のお屋敷で、古くは1300年以上前から、わかっているだけでも戦国時代には登場している一族のお屋敷です。
現在の建物は築130年。写真に写っているのは増築された築110年の建物です。
この建物は、長い間おばあさんお一人が住んでおられましたが、あまりにいい建物なので、15年前から松岡さんと言う女性の旗振りで、「地元の女性の手で」企画された「つりびな小町めぐり」祭りの拠点になっています。
15年目の今年からは、弊社の管轄になり工事中で、きれいなつりびな飾りができなかったため、お詫びに無料の休憩所として1部を解放しました。
すると、休日で500人、平日でも300人近くの人が訪れます。墨俣には秀吉の出世で有名な一夜城があり、花街として栄えた歴史もあることから、町歩きのお祭りなのですが、ほぼ全員がこの脇本陣よって行かれます。
というのも、宿場町であった歴史も今や昔、老朽化で町屋のほとんどが取り壊され更地が目立つ、風通しの良い街になってしまい、それらしく見るものが少ないからです。
それでも、今回の無料休憩所を通して分かった事は、「旅はみちづれ」。
つまり、誰に出会ったかで、良さは変わるのだろうなということです。
寒風、吹き荒ぶ街中をつりビナをたどって回り、温かい脇本陣でホッとしてコーヒーを飲む。そして、建物の由来を私たちと話ながら、コロナの収束を喜びながら、お祭りの女性たちの手作りびなやお土産物を楽しまれ、「お祭り参加記念品」をもらって帰っていかれます。
「このお祭りは優しいお祭りやねぇ」
「町の人のすごい努力が胸にしみるね。」
「誰にあっても、親切で本当に今日は楽しかった」
工事中でも閉まっているといけないと解放し、工事中だからとコーヒーも無料ですが、特に寒い日に立ち寄られた方が、本当に暖かくて助かったと帰られるので、社員一同満足度が高く、もはやみんな、本業は一旦置いて、まつり当番に行きたい位の感じになっています

これからも、「いいところに来た」「いい人やものに出会った」と言っていただける仕事したいなと思いました。建築だろうが観光だろうが、大事にすべき事はいつも同じです。
8月のオープンに向けて絶賛工事中です。これからはいつでも立ち寄れる場所にしていきますので、皆様、どうぞ、これからも、気軽に足をお運び下さいませ。
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