石積みの庭を削る工事で、
・石碑の向きが悪い
・思ったより石積みが低い
・セメントの塗り方が汚い
石積みは難しいので、庭師さんに任せたら
️でした。

「何でここ(大工・左官)までこうも綺麗にやってくれて、最後こうなんだ!」と怒られました。
うちの監督は、「確かにうちの工事にしては仕上げが甘い」と反省して帰ってきました。
「任せるよ」の言葉は常に罠のようにリノベーションの仕事に潜んでいます。
いざやってみて「そうじゃないだろ」が最近多い。他人なので、良かれと思うツボが違う時と、思わず職人さんが急ぐ時、そして実際に相手の期待を汲み取りきれず気が利かない時があります。
実は、この問題、「信頼されていがち」な、そのお客様と初めての工事の時こそおこります。
「わからないから、いいようにやってね」
とお客様に言われても、昔は容易に自分を信じず、どんなに面倒でも、時間をかけて相手の好みを確認していましたが、最近は「使い勝手とデザインのちょうど良いポイントはココだ」と言う、プロの意見、逆に言えば、平均化された結論に至ることが増えました。
最近、怒られる時は、大概、この平均的な施工をして怒られている気がします。
もしくは「本当は意見を言いたかった。」というお客様の気持ちを汲み取りきれず、こちらの美学で進めてしまうのも一因です。
弊社はリピーターが多いので、思わず「この人にはこれ」と決まると安定して進んでいくことが多く、怒られるのは、大概、はじめてのお客様です。
お客様の「どうなるのかな」という不安を、私が汲み取りきれていないのです。
と言うわけで、そろそろ50歳の私は、営業は若い人の助言やサポートに回ったほうがいい年頃だと思います。どうしても、会社経営に時間を使っているから、お客様の不安を昔ほど長い時間聞けなくなっています。さらに、なまじ経験が多い以上、自分の意思で十分正しいと思い出してるのは、仕事のまわり道で、良いことではないみたいです。残念ですが。
ただ、実際、引き渡して家に住まれてからは、「しみじみ良い」と感じてくださる方が多く、時間が経つほど、弊社とお客様は馴染んできます。その方の次の工事には、プロの意見も生きてきます。
初心忘るるべからず。
畏れ、を持つ世代を増やせる、具体的には、お客様の意見をしょっちゅう聴けるような社員を増やす運営をしたいと思いました。いよいよ、スタッフあっての、空間建築工房です。
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