遠方なので電話で問い合わせたところ
「お調べしますねー」と3分待たされ、
「すいませんわかるものが全て応対中で」
「たつみ、は漢字ですか?…ああ、漢字。
ではマンション、はカタカナですか?」
…おいおい、自社物件なら入力すればある程度の情報はパソコンに出るでしょ。私でさえ3Dで部屋が見渡せるじゃない。
それに、あなたの会社のレベルなら、ファイルを開けば、すべての情報は載っているはずですよ。
…そして、マンションで、漢字あるんかい?
まだ18歳の娘がニヤニヤしながら「この人やばいね〜」と言う顔で私を見てきます。
このことで、あるフランチャイズの不動産ネットワークの営業さんのことを思い出しました。
「不動産事業を始めるにあたり、人を4人雇ってください。
賃金の安い23歳で充分です。
社会経験、不動産知識などあまり必要はありません。もちろん宅建士の資格も、あなたが持っているから不要です。
なぜなら当社ならそんな人を教育するシステムがあります。何時に何をして、終わる頃までに何をするのか、全てマニュアルがあります。
さらにそういう不動産のアマチュアの方が、(わかっていないので)会社のノルマ命令に忠実です。彼らは基本給が安く、成功報酬で賃金が増えるので、良い人にだけお金をたくさん払うことができます。」
あまりにも、業界(お客さん)や、社員を馬鹿にした方針で、逆に私はドン引きしてしまいそのフランチャイズに加盟するのをやめました。
そこは大層な大手チェーンなので、皆さん1度は耳にしたことがあります。大手の「仕組み」って、そんな風なんだ…。私が就職した頃の30年前のハウスメーカーと一緒なんだ…。
ちなみに弊社は、どんな知識レベルの新入社員を雇ったとしても、
「文化の香り」
「人への愛情」
「業への精意」
「成長する幸せ」を教えます。
ノルマの話は、各個人のものではなく、会社の月次決算書を元に、損益分岐点の話をして、毎月確認をするだけです。社員さん達は十分に理解して、私以上に、「こんなに頑張ってるのに赤字なんて嫌だ」「こんな無駄は会社のためにならないからやめました」など、我が事として会社業績を捉えています。
また、弊社では雇用する時
「賃金が安いから雇う」のではなく、
「この人いい人だから他社ではもったいないな。うちにこればいいのに」と思う人を雇っています。
そして来た人たちが「古参メンバーと知識レベルが合ってきてうれしい」とか「現場楽しい」「今、人生で1番頭を使っている」「昔の私より今の私の方が賢い」「夫に、お前稼いでるなと言われた」と言ってくれるのが1番嬉しい。
私の会社にもし冒頭のような、仕事が全くできない人がいたらとゾッとしますが、そもそも、「お問い合わせありがとうございます」の言い方が気持ち悪いような人は雇いません。でも例のフランチャイズ不動産の感覚なら十分に雇うのかもしれません。だって「不動産屋のフランチャイズに応募してくる人は、大概仕事はできませんよ。だってできる人は、自分で開業できていますから。」と言う考えだそうです。
…怖いなぁと思うのは、これを言っているのが、私より断然若い30代前半のシュッとした若者なんですね。自分が話している内容が、私のもっと上の世代の、昭和の黎明期の組織感覚だということに気づいていません。
一体なんだその考え!従業員を馬鹿にすんな!と、私は強く思います。社員を低く見る会社が、お客さんを大事にできるとは私はとても思いません。
と言うわけで、「不動産大手」には、そんな根本的な部分から発生する罠が仕掛けられている場合があります。即レスでいわゆるマニュアルを忠実に守っている遠方の誠実な社員さん達が、そんな態度で会社に雇われていなければいいが、と思いながらの、下宿探しです。
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