2023年1月3日です。
今年は新たに古民家ショールーム「池田屋脇本陣」をオープンする予定です。はやる気持ちを抑えています。(抑えなくてバリバリやりたいのですが、昔みたいに自分一人ではないので、妙な慎重さで進めています。)
2022年は、資材不足からの人手不足に悩まされ、混迷の時期でした。
が、弊社では松下幸之助の「ダム経営」論、すなわち「ヒトもカネもモノも、全てダムの水のように蓄積されていたい」の願いのもと、とうとう社員が7人に増えました。カネは無駄遣いせず出来るだけ貯めています。モノは、先述の古民家脇本陣を整備中です。
このダム経営の効果を一つ。
私たち夫婦は年末コロナに罹ったのですが、残りの5人が獅子奮迅の如く業務をこなしてくれたおかげで、安心してずっと寝ていました。12月は7日も業務を抜けるわたしがさらに10日抜け。
その穴埋めに皆はそれぞれ責任感を発揮して孤軍奮闘、さらにチームワークも発揮しての年末でした。
こんなに放置して会社が回るのはこれまでには考えられないことで、はじめての経験です。ダム経営の効果をまず実感した次第です。
と同時に、3日も寝ていられないようなコツコツした重圧を、自ら背負って歩いてきた22年にも気付きました。よくやって来たなぁ…誰にも強いられずこんな生活。
そこで、この正月は太宰治を読んでいます。ちょっとしんどいとすぐ死にたくなって酒と薬と女に走る弱い文豪を、私は反面教師にしています。若い頃は腹を立てながら読みましたが、今は、幼少期の性的虐待が可哀想な自尊心にしてしまったとわかるので、単純に、「望みを失う」「逃げる」怖さのベンチマークにしています。
その合間に安藤忠雄の記事や本も読んでいます。安藤さんは闇雲な強さとクレイジーな自由さを持つ世界の天才です。今日あたらめて刺さった言葉は「うまく生きろ」です。
『 やっぱり無謀だと思えることを実現するためには、チームを組んでくれる優秀な人物の存在が不可欠です。人との出会いには常にアンテナをはっていたほうがいい。それもまた、生き抜く術のひとつでしょう。若い人にメッセージがあるとしたら「うまく生きろ」ですよ。自分で考え、自分でその術を見つけ、これからの時代をうまく生き抜いていってほしいと思います。』
成功を得てなお死のう死のうとした文豪と、世界中の評価を得てなお食べるために働けという建築家。
太陽や雨に悩まされ、人の想いに悩まされ、時間の経過にまで悩まされる世界で、4Dで迫る困難をまだ振り払い生きているのは、臓器を5つも失った「実施士」の方であることを私はずっと知っています。
人生100年、折り返しに立つ自分と、伸び盛りの子供たちへ、この世界に立ち向かう原点とは何か?を考える。それがいつもの私のお正月です
