2022年08月17日

空き家解体の前夜〜「子育てに質のよいつながり」

いきなりですが、あなたに質問です。

あなたは、お母さんが子育てに関する最強の情報やスキルを持っているのと、質のよいつながりを持っているのとでは、どちらが幸せに大きく影響すると思いますか?

これは、プレジデントという経済雑誌の質問です。

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 今日は、クーカン総出で空き家の解体のための片付けを行っていました。近所の8人家族のお家で、解体するのはおばあちゃんが最近閉じた、美容院の建物です。
 何十年もやってきた美容室です。
 すのまたの花街の芸妓さんのための髪結ところでした。
 この夏で、こういった美容院2軒を壊しています。個人的には、懐かしの美容院がなくなるのは少し寂しい。


 そう思っていたら、ここの孫たちが近所の子と隣の空き地で野球して遊んでいたので、猫の手も借りたいついでに、全員に召集をかけ、みんなしてワイワイやっているところです。


 お盆真っ最中で暑いので、みんなが適当にそこんちのトイレに行ったり冷蔵庫からお茶を飲んだりしていました。うちの会社の人はむしろ遠慮しながら使っていましたが、この家はそもそもおおらかに人を受け入れる、様子の良い家です。


 なんとなくこれを見ていると、冒頭の質問を思い出しました。
 答えはもちろん「良質なつながり」です。
 
 親の能力が高いとか、将来性の高い学校に入るための様々な情報、良い習い事ができるとかいうことより、親同士、子供同士、近所に安心できるつながりがあることが、子供の心の成長や能力の発展に大きく寄与するのだそうです。


 最初子供たちは、埃だらけの段ボールや雑誌、よくわからないガラクタを触るのにドン引きしていて、ピッチャーのうち1人は全く手が出せませんでした。が、友達が一生懸命やっている上、私が(一人ひとりの様子を見ながらしつこく)焚き付けるので、そのうちやるようになりました。
 この家ではいつも野球のみんながお世話になっているんだから、恩返ししなさい。というのが私の主張です。他所の子にしてみればただのとばっちりですが、何十年に一度の事なので、よく見ておけばいいと思っています。


 子供たちはそのうち「なんでこんなにゴミがあるん?」「このコップ新品なのにもう捨てるん?」と言い始めました。
 かっこいいツボなのに捨ててもったいないとか、こんなにゴミになるなら俺いらんモンはもう買わんとこ、とか、図らずして断捨離の真髄に達し、さすが子供はカンが良い。


 最後ゴミを捨てに行っている間に大方片付いて、戻ってきたときにはみんな家に帰ってい、お礼を言えずに今日が終わりましたが、また明日どうせここらで野球をやっているので、大いにねぎらって褒めようと思っています。


 今日はたった1日でしたが、こうして大人が働いている(たとえ片付けでも)姿を子供が共有するのってほんとにいいですね。


 というのも、自分が幼少の頃、親が商売をやりながら大きな家具を配達しているのを見て「よくやるよ…」とドン引きしていたのは私も同じです。ほんとにあくせく働いていました。
 しかしそれを毎日毎日見ていることで、しまいにはその姿が当たり前になり、労働が全くと言っていいほど苦痛ではなく、自分の強みになっています。うちは4人兄弟みんな働き者ですが、その配偶者も皆働き者です、類は友を呼ぶ。
 働くのが嫌だとか辛いとか、そういった余分な悩みをせずに生きているのは、よほど幸せな感覚です。

 子供から見て親は、家に帰ればビールを飲んだりソファーで寝転んだりしているだけ。あくせく働く姿、もっと目に焼き付けることができれば、昨今の労働回避(何なら、アンチ労働)のよくわからない世論に巻き込まれずに済むと思っています。


 他所の子はともかく、私の大事な近所の子供たちは、働き者であれと願っています。今日は、この家の普段のコミニュケーションのおかげで、また1つ、勉強しました。
 おばあちゃんから低学年まで、暑いのに楽しい1日でした。
posted by Kuhcan at 01:04| 空き家対策