
ボンボン時計のある、鉄筋コンクリートのおうちの住宅状況調査をします。
家が資産である、と考えるのが住人、
家は負債である、と考えるのが不動産屋、
その中間で正しく見るのが設計士の仕事です。
日本はまだまだ中古住宅市場が円熟しておらず、
アメリカの造った基準で建てた戦後の木造住宅は湿気に弱く、
さらに地震が襲ってきます。
だから、どうせなら新築が良い、と言って新築が乱立され、古い家がどんどん捨てられて、空き家面積が九州全土を覆うほどの面積に達してしまいました。
ですから、中古住宅を買う事は決して悪い選択肢ではありません。
コロナによる経済不安と家に閉じこもらざるを得ない環境の中、土地のない方が新たに土地を買って家を建てるより、広い間取りに住むことができます。何なら庭も付きます。限られた条件でしかリノベーションができないので予算も必然的に制限され、出費を抑えることができます。
さらに、誰かが捨てた家を続けて住むことで、持ち主さんへの金銭的救済にもなります。
ただ、その大元の建物が本当に良いのかどうか?不動産屋さんが分からないのです。不動産屋は土地を売る事務のプロなので、建物の勉強はある程度だからです。
そこで国交省が、「中古住宅を売る際は、インスペクションをするのが望ましい」と言うおふれを出しました。平成30年です。これで、不動産屋と建築士がタックを組んで、中古住宅の価値を鮮明にすることができるようになりました。
当社は建築士も不動産屋もインテリアコーディネーターも大工もいるので、この家をどうすると良くなるのか、そして見えない不良箇所はどこか、直すといくらぐらいかかるのか、かなり深く、そして早めに見抜きます。
「不動産屋さんが言うように、この家は本当に壊してしまった方が良いのでしょうか」と言う声から、2月に、大きなお屋敷を調査することになりました。
私たちはその家は確実に資産と思っています。
安易に壊してしまわないようなお手伝いができるといいなと思っています。