
誰しも、「弱体化する」とか、「そもそも弱い」と言う部分を持っていると思いますが、最近前者を体験することが増えました。
私が一番自分のことを弱いと思っていたのは、子供の頃、酔った親に手慰みに殴られたりした時ですが、それ以降、なんだか悔しいのでひたすら強くなろうと努力してきました。
しかし、どう努力しても弱いなと思ったのが、「妊娠して体がうまく動かなくなった時」です。
妊娠すると、体をリラックスさせるために、頭も回らなくなるし、筋肉も解けていくようにできています。その時は、そんなことを知らなかったので、バカになっていく自分、動くのが億劫になっていく自分に恐れおののきました。
急に積み上げてきた自分のスタイルを奪われてびっくりしたものです。
そして先日、それぶりに「弱体化」を感じたのが「コロナワクチン接種2回目」の副反応。
打った後は元気で、午後は接客までして、楽しく1日過ごしていたのです。
それが夜になって、猛烈な悪寒で起き、お風呂に入ってもまだダメで2回も入り、ようやく体が温まり発熱し、次の日は体が痛くて頭が痛くて動けない。
なんだか久しぶりに、こんなに全身をもがれたような痛みで、1日中苦しみました。一種のインフルエンザになったような感じです。これを1億2000万人分の70%が、さして文句も言わずに経験しているのかと思うとすごいモノです。
同じく副反応に苦しむ娘にうどんを作ってもらい、元気な夫に体をほぐしてもらい、ようやく1日半で回復しました。
ただ毎回思うのですが、弱くなる事は嫌ですが、ときには必要ですね。強い自分のルールが通用しない「肌感覚」は、得がたい経験です。
「慢性的な病気の方はしょっちゅうこんな思いをしているのか」「お年寄りで具合の悪い方って毎日こんな感じか」と、しみじみと体感できるので、思いやりが自然に発生します。
(1番辛い時間帯に『池江りかこ選手って、これを乗り越えてオリンピックに出るなんて、ほんとにすごいね』と娘が言ったので、いい感覚に育っているなと思いました。)
こういう日もあるので、身体が辛いときの気持ちも考えて、コーディネートしましょうと、お客様に言っています。
今日も、真っ赤なゴッホの絵をモチーフにしたクロスを採用するかどうかでお客様が悩まれました。
「1週間でも二十日間でも悩んで、いいと思ったら採用してください」と伝えました。
お客様は、「いいえ、せっかくですから今日決めたいですし、私はそんなに普段迷わないんですよ。」とおっしゃいました。
けれど、色の好みは日によっても気温によっても変わりますから、そんなに早く決めていただく必要は無いんですよ。
1週間ぐらい悩んで決めていただいた方が、確実な気がしますし、迷っていただくのは、後悔がありませんので、大いに結構です。
私でも決めたことに、「あれで良かっただろうか、体調の悪い日は不便では無いだろうか」と夜中にふと目覚めることがありますから、一般の方もそれで良いのだと思います。
100点のコーディネートって、そういう意味ではない気がしていて、どこまで自分の気分、将来の自分の好みに近づけるか、あてのないものに立ち向かっていることです。
そういう意味では、答えのないトライって、すごく自由で哲学的で楽しいものです。
私がコーディネーターに入ることによって、少しでもおしゃれで個性的なインテリアができるといいと思っていますが、表面的になぞるオシャレとは一線を画したいところです。
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