
今日は、庭の打ち合わせです。
「レモンの木を植えたい」
とおっしゃられたので、はじめは、できたばかりの弟の家を見てもらっていたのですが、

(1番左がレモン)
結局は、私の実家の庭に入り込み、
ケヤキの木やら、ホウバの木やら、
一般に新築のときオススメする樹種としては全然ピンとこない木を見学していました。
お客さん「よかったけど全然参考にならない(笑)」
いい庭には2種類あって、
@庭師にすっかりお任せでかっこよく作る
A自分で好きな木を買ってきて思い入れて作る。
だと思うんですよね。
@は、簡単に見栄えの良い庭ができます。下手に施主さんがあれこれ言うより断然良い、と私は思います。
Aは、母の庭。
木登りもできる大きなケヤキの木は、30年で2度しかプロに頼っていないらしい。
ホームセンターや道の駅で買ってきて、安いお金と自分の個性で作ってあります。
この桔梗も、カーマホームセンターだそうです。
でも、現実のお客さんの99%は、
B手入れが簡単で素敵な庭
がお望みなんですよね。
これはもはや、わがままといえるほどのムチャな要求です。
手入れが楽な木は少ないから、たまにあってもみんなが使っていて「あー、どこかで見たような…」となって個性がない。
葉の落ちない常緑樹ばかりの庭も、なんだかくどくておしゃれではない。
結局「どれだけ丹精込めたか」庭って決まるんですよね。だから「そんな時間はないよ」と言うお客さんのために、庭の大半をコンクリートで固める羽目になります。
その時の敗北感は、こういう仕事をしている人ならほぼ全員持っているんじゃないでしょうか。また、人工的なもの私、作っちゃった…。木々のそよぎはどこいったの…と思います。
子育てと同じでね。生き物だから…。1本1本に意味を感じて、手をかけるのが1番きれいなんです。でも、働く私たちにその時間は無い。
芝を刈るために、
落ち葉を掃くために、
人を雇うのもどうかと感じますが、
自分でやるのも大変。
だけど緑が欲しい。
この欲望の堂々巡りは永遠に続いていくのでしょうね。
意外と庭って、哲学的。
庭も、余裕がないとできないなぁ…と改めて気づきながら帰ってくる正午です。
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