2019年05月18日

困った古い家@ 日本がどれくらい困っているか

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  空き家対策、と言う言葉がよく聞かれるようになってきましたね。
   2015年の調査で日本の空き家総数は820万戸、さらに九州全土よりも広い面積の敷地が「所有者不明」となっています。

  先日大垣市でも老舗の司法書士さんが教えてくださったのですが、「国からの指令で所有者を探せと言われたが、調査対象170件のうち、権利者全員を探し出せたのは、たったの59件だけだった。所有者が26人もいるような土地もあり、調査打ち切りになった物件は89件ある。」

  これからこんな空き家も増えます。国に登記(所在者が誰かを申請する行為) をしてある人が亡くなった時、相続人が、「登記」と言う行動自体を知らない場合や、その土地や建物を取り合いしたりして、持ち主が死んだ人のまま登記変更せず放置する場合があります。

  そうして3代も放置が続けば「相続権利者全員を把握することが不可能」として、相続人は土地を売ることも建物を壊すこともできなくなっていきます。

  そうすると、その土地はもはや資産でなくなり、所有者がわからず放置された古い家は、防災上も景観上も悪い、「私たちみんなの」負の遺産となっていきます。「特定空き家」に認定されると、国が強制的に壊してくれるのですが、その解体費用が安いわけではありません。さらに解体費用は日本国民全体の税金から賄われて行きます。

  相続人がいるなら相続人の負債。相続人が不明になれば国の負債。その負債が日本国土の九州全域を覆うほどあるわけです。

  皆さん、そんなわけで、登記を甘く見ないでください。土地の権利者、建物の権利者が変わった場合は必ず申請(登記)をしてください。たかが数万円お金がかかるからといって放置しておくと、せっかくの資産が負債に変わってしまいます。登記は単なる義務行為ではなく、あなたの財産を、ひいては日本の財産を守るための行為です。
posted by Kuhcan at 22:55| 空き家対策