
令和元年を祝おうと!
古川為三郎記念館を経験してきました。今名古屋城の二の丸庭園を手がけておられる先生からお聞きして以来、行ってみたいと1年以上温めていた場所です。
端午の節句ですから
屋根に菖蒲が。

端午の節句は、菖蒲の節句とも呼ばれているのですが、これは田植えの疲労で5月に体調を崩す女性が多かったので、匂いの強い菖蒲を魔除けの意味で掲げる風習です。
雨の降っている日でしたが、傘もささずに見上げてよかった。
古民家風カフェなどがたくさんある昨今ですが、本当にこういったゆかしい文化を伝えている記念館は稀かと思います。もはやこれだけで興奮です。
玄関・取り次の間には、青竹を模したガラス細工の花器がしつらえてありました。
この床脇の地袋(左の棚のこと)の天板も
ケヤキの木目が奥深く光り輝いて、さすが世紀の富豪、使う材料いちいち一級品。
と、漆で描かれた瓢箪の襖紙…
はじめ漆とは分からず、京都・唐長の紙かと思いました。でもよく目を凝らすと、艶がすごいです。もう、なまめかしいくらいの勢い。
階段を降りていくと、1つだけの小間があります。数畳ほどのこの茶室の連子窓(写真左)は、部屋の大きさに対し破格に大きく、独特な感じでした。
連子窓は明かり取りの意味に加えてお点前する亭主を後方から照らすバックライトの意味を持つのですが、その窓が大きいと言う事は、ご亭主を目一杯アピールする意味を持っています。
この部屋はふすま紙も日本画のように美しく、侘び寂びにとらわれないご主人の現代的な感覚で作られたものだと感じました。
かといってセンスが良いので、嫌味がなく、本当に素敵でした。

連子窓の障子の奥は竹を編んだ格子に聚楽(じゅらく)塗り回し。
この竹の編み方1つで障子紙に映る影が変わり、時間帯やその日の天候によっても、影が紅く見えたり緑に見えたりします。
狭い茶室の中で、日々のもてなしとして、投影した影の色も楽しむもので、ここに日本の繊細な情緒の端が見られます。
とまぁ、3箇所を説明しただけでブログが長くなりました。まだまだ目を見張る室礼(しつらい)満載だったのですが、その全てをさらけ出すのはあまりに情緒ががない気がしてためらわれます。
その他の部分も推して知るべしです。
興味のある方、名古屋市千種区池下駅すぐ。「古川為三郎記念館」にぜひ足をお運び下さい。
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