
今回の台風で2軒、「降棟(くだりむね)の瓦が飛ぶ」被害がありました。
神社はともかく、一般住宅でこの被害にあったお施主様が
「もう嫌だよ〜こんな怖い思いするなら、こんな飾りはとってしまってよ!」と思わずポツリ。
雨樋のなかった時代、屋根の端(時とともに重力で下がりがち)をツノのように上げる作り方があります。
屋根の端をシャンと見せるデザインとして、はたまた技術の粋をみせるために、という理由があります。
こんな場合、まっすぐな屋根から曲線屋根に切り替わるため瓦を切ったりしていきます。そのつなぎ目を美しく見せるのがこの化粧棟です。
ですから、維持のためにお金はかかるものの、ハイそうですかとは取れない。(笑) 昔は銅線で瓦と瓦を結んでいたので、何十年後の今、それが酸性雨で溶けています。ですから事実上、漆喰と土の粘性というか惰性というほどの摩擦力でギリギリくっついて載っているのがほとんど。
台風で飛ぶ方が自然というくらいです。
時々、屋根の葺き替えが高いので、施工を躊躇される施主様がありますが、こういう台風が来ると、その脆さが露呈してようやく諦めがつく感じです。
かといって、メンテにお金を使っていただくのは、工事業者としてはいつもしのびないです。
仕方がないこととはいえ、家も時間が経てば劣化します。
これから建てる方にはメンテナンスのいい家をこれからも提供していきます。
さらにお施主様に於かれては、自分でコントロールできる程度の大きさの家を、数少なく持つのがいいと思います。
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