2023年02月26日

地元の祭りをやってみて

工事中の「すのまた宿・池田屋脇本陣」。
このたびは、地元のお祭りと言うことで、工事を中断して中を解放しました。

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 とりあえず、どんなものかよくわからずに、コーヒーが飲める無料休憩所にしてみたところ、
商売で出くわす人たちともまた異なる風情の、温かい交流の場になっています。
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 そして、地元であるにもかかわらず、忙しがって、ほとんど参加してこなかったときには見えなかった、地域の人たちの誠実さや気力、体力に驚嘆する毎日です。
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 今日、休憩に立ち寄られた方が「優しい方ばかりで、すのまたは本当に良い処やね」と喜んで帰られたのが、なんだか大変誇らしく、生きていて、本当に楽しいと思いました。

 このブログでもしつこく書いてますが、会社をやってはいるものの、良いものを作りたい、良い場所を届けたい、良い心で暮らしたい、と言う気持ちだけでやっています。

 この祭りでは、なんだかそれが全部叶ったような、ちょっと夢のような雰囲気で、どの方も、ごちそうさま、ありがとうね、体が温まりましたと言って帰られます。

 飲食店の人たちは、毎日きっとこういう声に励まされてやっているのでしょう。衣食住、と言いますが、命に関わる仕事をしているのは、私も同じですが、また一味違った感動があります。
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 それに、100年も地元なのに交流してこなかった年配の方々、久しぶりに会った同世代の方々、新しい世代の子供たち、と1日500人の人たちに出会えて、イベントの企画の楽しさが身に沁みます。

「あんた、話が聞ける子やね!教えたいから紙芝居を見にいらっしゃい。」
「私たちがこの流れを継ぐの?そうやね、頑張らなあかんね。」
「祭りの応援ありがとう。みんな喜んでる」
「(子供たち)今日もきたよ!」


 コロナやウクライナ戦争で、現実を見れば切羽詰まったことばかりですが、祭りをやるということが、こんなに自分の癒しになるとは思いませんでした。
 スタッフも休日返上、買い出しに・案内に・ストーブの給油に…おおわらわですが、普段が真剣なので祭りでも全然真剣です。こんな時もさすが頼りになるクーカンの人達…。

 私自身、朝は企画書、昼は案内で毎日立ちっぱなし、夜はSNSですが、たくさんの人に会った日ほど疲れません。人はパンのみに生きるにあらずです。充実した仕事人生を送っているつもりが、一歩離れただけで、また違う豊かさが隠れています。

 祭り、大事ですねェ!

みなさん来てください。
「つりびな小町めぐり2023 
 2月23日〜3月5日
 すのまた宿池田屋脇本陣 界隈にて」
 
posted by Kuhcan at 19:00| 日記

2023年02月22日

今日怒られました…初心忘るるべからず

 今日、お客様にお叱りを受けました。
 石積みの庭を削る工事で、
・石碑の向きが悪い
・思ったより石積みが低い
・セメントの塗り方が汚い

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 石積みは難しいので、庭師さんに任せたらバツ1️でした。

「何でここ(大工・左官)までこうも綺麗にやってくれて、最後こうなんだ!」と怒られました。

 うちの監督は、「確かにうちの工事にしては仕上げが甘い」と反省して帰ってきました。

 「任せるよ」の言葉は常に罠のようにリノベーションの仕事に潜んでいます。

 いざやってみて「そうじゃないだろ」が最近多い。他人なので、良かれと思うツボが違う時と、思わず職人さんが急ぐ時、そして実際に相手の期待を汲み取りきれず気が利かない時があります。

 実は、この問題、「信頼されていがち」な、そのお客様と初めての工事の時こそおこります。

 「わからないから、いいようにやってね」
とお客様に言われても、昔は容易に自分を信じず、どんなに面倒でも、時間をかけて相手の好みを確認していましたが、最近は「使い勝手とデザインのちょうど良いポイントはココだ」と言う、プロの意見、逆に言えば、平均化された結論に至ることが増えました。

 最近、怒られる時は、大概、この平均的な施工をして怒られている気がします。
 もしくは「本当は意見を言いたかった。」というお客様の気持ちを汲み取りきれず、こちらの美学で進めてしまうのも一因です。

 弊社はリピーターが多いので、思わず「この人にはこれ」と決まると安定して進んでいくことが多く、怒られるのは、大概、はじめてのお客様です。

 お客様の「どうなるのかな」という不安を、私が汲み取りきれていないのです。

 と言うわけで、そろそろ50歳の私は、営業は若い人の助言やサポートに回ったほうがいい年頃だと思います。どうしても、会社経営に時間を使っているから、お客様の不安を昔ほど長い時間聞けなくなっています。さらに、なまじ経験が多い以上、自分の意思で十分正しいと思い出してるのは、仕事のまわり道で、良いことではないみたいです。残念ですが。

 ただ、実際、引き渡して家に住まれてからは、「しみじみ良い」と感じてくださる方が多く、時間が経つほど、弊社とお客様は馴染んできます。その方の次の工事には、プロの意見も生きてきます。

 初心忘るるべからず。

 畏れ、を持つ世代を増やせる、具体的には、お客様の意見をしょっちゅう聴けるような社員を増やす運営をしたいと思いました。いよいよ、スタッフあっての、空間建築工房です。



posted by Kuhcan at 23:41| 日記

2023年02月19日

詐欺にご注意 A大手の不動産屋

 今日、娘の下宿探しで変な不動産屋がいました。
遠方なので電話で問い合わせたところ
「お調べしますねー」と3分待たされ、
「すいませんわかるものが全て応対中で」
「たつみ、は漢字ですか?…ああ、漢字。
 ではマンション、はカタカナですか?」

…おいおい、自社物件なら入力すればある程度の情報はパソコンに出るでしょ。私でさえ3Dで部屋が見渡せるじゃない。
それに、あなたの会社のレベルなら、ファイルを開けば、すべての情報は載っているはずですよ。
…そして、マンションで、漢字あるんかい?

まだ18歳の娘がニヤニヤしながら「この人やばいね〜」と言う顔で私を見てきます。

このことで、あるフランチャイズの不動産ネットワークの営業さんのことを思い出しました。

「不動産事業を始めるにあたり、人を4人雇ってください。
賃金の安い23歳で充分です。
社会経験、不動産知識などあまり必要はありません。もちろん宅建士の資格も、あなたが持っているから不要です。
なぜなら当社ならそんな人を教育するシステムがあります。何時に何をして、終わる頃までに何をするのか、全てマニュアルがあります。
さらにそういう不動産のアマチュアの方が、(わかっていないので)会社のノルマ命令に忠実です。彼らは基本給が安く、成功報酬で賃金が増えるので、良い人にだけお金をたくさん払うことができます。」

 あまりにも、業界(お客さん)や、社員を馬鹿にした方針で、逆に私はドン引きしてしまいそのフランチャイズに加盟するのをやめました。

 そこは大層な大手チェーンなので、皆さん1度は耳にしたことがあります。大手の「仕組み」って、そんな風なんだ…。私が就職した頃の30年前のハウスメーカーと一緒なんだ…。

 ちなみに弊社は、どんな知識レベルの新入社員を雇ったとしても、
「文化の香り」
「人への愛情」
「業への精意」
「成長する幸せ」を教えます。

 ノルマの話は、各個人のものではなく、会社の月次決算書を元に、損益分岐点の話をして、毎月確認をするだけです。社員さん達は十分に理解して、私以上に、「こんなに頑張ってるのに赤字なんて嫌だ」「こんな無駄は会社のためにならないからやめました」など、我が事として会社業績を捉えています。

 また、弊社では雇用する時
「賃金が安いから雇う」のではなく、
「この人いい人だから他社ではもったいないな。うちにこればいいのに」と思う人を雇っています。

 そして来た人たちが「古参メンバーと知識レベルが合ってきてうれしい」とか「現場楽しい」「今、人生で1番頭を使っている」「昔の私より今の私の方が賢い」「夫に、お前稼いでるなと言われた」と言ってくれるのが1番嬉しい。

 私の会社にもし冒頭のような、仕事が全くできない人がいたらとゾッとしますが、そもそも、「お問い合わせありがとうございます」の言い方が気持ち悪いような人は雇いません。でも例のフランチャイズ不動産の感覚なら十分に雇うのかもしれません。だって「不動産屋のフランチャイズに応募してくる人は、大概仕事はできませんよ。だってできる人は、自分で開業できていますから。」と言う考えだそうです。

 …怖いなぁと思うのは、これを言っているのが、私より断然若い30代前半のシュッとした若者なんですね。自分が話している内容が、私のもっと上の世代の、昭和の黎明期の組織感覚だということに気づいていません。

 一体なんだその考え!従業員を馬鹿にすんな!と、私は強く思います。社員を低く見る会社が、お客さんを大事にできるとは私はとても思いません。

 と言うわけで、「不動産大手」には、そんな根本的な部分から発生する罠が仕掛けられている場合があります。即レスでいわゆるマニュアルを忠実に守っている遠方の誠実な社員さん達が、そんな態度で会社に雇われていなければいいが、と思いながらの、下宿探しです。

 
posted by Kuhcan at 03:31| 日記

2023年02月10日

しつもん

 質問を2日間、していました。
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 質問の基本は、自分がわからないことを訊ねる事です。これはまだ簡単なのですが、

『返ってきた答えを瞬時に理解し、実行する自分をイメージし、その上でさらに出るであろう課題や疑問をもう一度相手に投げる。』

 という行為は非常に難しいものです。これを2日間やっていたので疲れてしまい、私も更年期か⁈と会社の若い人に愚痴っていました。

 しかし、よくよく考えれば、
「自分の質問に、瞬時に回答できる人に5人もお会いした」訳です。
 普段の暮らしでは出会えない僥倖きらきらきらきらきらきらこんなに賢い人と喋りつ続けられる時間は少ない。


 新しいことを始める時、わからない事があるか無いかもわからず、一人でいつまでも思案していましたが、大違いです。この2日間でお会いした方々は経験や熱意に基づくアイデアと示唆に富んでおり、感動しました。ありがたい2日でした。

posted by Kuhcan at 21:24| インテリアレッスン