2023年01月26日

詐欺に注意@「屋根を修理しますよ」

 家のインターホンが鳴り、見知らぬ若い人(さわやか)が「屋根が悪いのでちょっと見させてもらって良いですか」と来たら、詐欺かと疑ってください。

 手書きで丁寧な字で「屋根が悪いのでお知らせしようと思って」のメモが残っている時もあります。

 見積もりを持ってくると大体名古屋市や岡崎市など遠方です。ただ最近では、その家よりちょっと遠いだけの岐阜県内の業者であることも増えました。
 
 価格は、2〜4倍します。

 契約書はその日か次の日にも持ってきて、家族に相談させずにその場で契約を迫ります。

 社長を調べると女性の場合が多いですが、これは男性社長がなんらかで摘発か自己破産されたため、身綺麗な家族等を傀儡で社長にしている可能性があります。

 修理は、肝心なところではなく簡単に治せるところだけ直します。

 大工工事や雨どい(板金)工事など、瓦屋さんだけでは治らない場合は、シロウト丸出しのずさんな工事をされます。
 屋根の上なのでお客さんには分かりません。

 つまり、やっても甲斐のない工事や、やるとむしろ悪くなる工事、やったせいで他の部分に支障が出る工事、などをされます。

 私は悪質と見た場合、警察に通報しています。それぐらい腹が立ちます。

 最近、東京で、90歳の女性が撲殺される事件が起きました。ひょっとしたら、こういった人が修理を口実に家の中に入り込み、家の間取りを把握した可能性もあります。トイレを借りるふりして家の中を探る人もいます。本当に、知らない人を家にあげないでください。

 皆さん注意してください。善良な世界で生きていても、こんな悪い人が本当になりの割合でおり、皆さんかなりの割合で引っかかっています。

 私は、自分のお客様から「何かおかしいから話を聞いてくれる?」と教えていただき、こういう人の存在や実態を把握しています。中には、「隣のおばあちゃんが騙されそうだから助けてあげて」と言われる時もあります。

 今年ももうすでに一件、そういった詐欺まがいの見積もりを疑ったお客様が来店されました。やっても効果のない工事に170 万円の見積もりをされていました。

 こういう場合、皆さん不安にさせられて、「じゃぁあなたが工事をしてよ」となるのですが、そもそも本当はやらなくてもいい工事なので、工事自体、不要なんですよ。でも相談をしてくる方はすっかりやる気になってしまっています。

 ここが、人間の心理の怖いところです。

 結果弊社が得することになるかと思うと、詐欺に便乗したようで後味が悪いので、不必要な時はちゃんと工事をせずにお断りしています。

 皆さん自分の家とお金を真剣にお守りくださいね。心配事があれば、いつでもご相談に乗りますのでお気軽にお電話ください。

 建築業界は本来、暑い中寒い中でも、重いものを持ち、真摯に働く人達の集まりです。気力も体力もある誠実でパワーある人でできています。ぜひそういった業者に出会っていただきたいと思います。
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↑本気で瓦を直そうと思ったら、ここまでちゃんとやらないといけない。
posted by Kuhcan at 07:49| インテリアレッスン

2023年01月15日

夜なべ仕事


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 今日は暖かい晩です。娘は国公立大学用の共通テストの真っ只中。

 わたしたちは、空き家や空き土地の相談が多いので、夫婦で夜なべしています。

 夫は馴染みのお客さまに、掛川の有名なしょうが葛湯をいただいてきました。ちょうど私は年末に焼けた自分の茶碗を貰ってきました。
 
 あたらしい茶碗で、初めて飲む銘菓をいただきつつ、なんとなく娘が気になって、何ができるでもないのにひっそり夫婦で起きている冬の夜です。

posted by Kuhcan at 03:56| 空き家対策

2023年01月05日

システム

今年の業務が始まりました。
ありがたいことに、来客、電話、が終日続いた初日でした。
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 昨年末、コロナに罹ったせいで宿題仕事がたくさんです。が、同時に年が明けたおかげで、普段の考え(この会社で何がしたいのか)をお蔵出しして、虫干しして、天日干して、さらにひっくり返して、干し切って、水で戻して、整えてお皿に出せるくらいの時間が与えられました。
 すごく良いです。
 夫の実家である大阪から帰ってくる間に、その気持ちを話したところ阿吽の呼吸で同じでした。
 
 夫は「僕が尊敬する人たちはみんな、効率とか段取りとかシステムとか言わず、『わざわざこんな険しい道を…』と思うところを一歩一歩踏みしめて、傷だらけでそれでも一山一山、自分だけの道程で越えておられる」といいました。
 主にそれは、古民家再生協会の支部長達です。
 愛知の戸田支部長…。70歳を超えて、憧れていたヨーロッパやアメリカUSA、林野庁、名古屋港…(市長はもちろんのこと)、と交流し、古民家を丁寧に再生しています。
 讃岐の山倉支部長…。「無人島を放って置いたらアカン」「引きこもりの子を増やしたらアカン」と言いながら船で船ボランティア清掃に向かい、ヤギと相撲を取り、夏休みの子供学校を手弁当で40日たっぷり運営しつつ、アメリカで補助金をもらうほどの古民家移築を成し遂げています。しかも苦労して得た輸出のノウハウを余さず戸田支部長に御伝授なさいました。クリスマスは毎年サンタになってプレゼントを配り歩きます。
 お二人とも、古民家を再生させることで、僻村に人の流れを作り、地域を冨ましめようされています。そして
「自分のやりたい事(建築)で、世間の役に立ちながら仕事人生を終われることがどんなに幸せか!」と自分の人生に感動しています。
 私たちの社長としての使命は、こういう純粋な心で人生を終われること、またそういう人を増やすことなんだろうなと思うのです。
 
 宇宙船開発の植松努さんはこう言います「貧しい国を見てください。そこにはどんな人が住んでいますか?泥棒やギャングです。貧しい世界では、人は他人から奪います。何も与えられてこなかったので、その人には奪う以外生きる道がないからです。ですから、あなたは、人に与えられる人になってください。何もない人を作ってはいけません。あなたが与えて、何ももらえなかった人がいない世の中にしてください。それが私たちの道です。」
 忙しかった年末を無事にやり遂げてくれた社員5人を見ていると、うちの会社では、もうみんな与える人なんだなと思いました。晴れやかな気持ちになり病床で一人感動し、むしろそのリーダーである自分は一体?と重責すら感じる始末でした。
 「無駄なく、迅速に、誰がやっても同じように、仕事をしましょう。と会社では教えたくないんだ」と、私たちは思います。いくら会社が成功すると知っても、そんな働き方をしなくてもいいのです。
 あなたがあなたでしかない部分で、勝負してください。そして建築の仕事をしているとしても、それは「モノ」を造るためではなく、誰か「人」のために仕事をやっていることを忘れないでください。あなたという個性が、この業界で何かを生み出し、与えられるから、仕事をしている。それが真理です。
 お金を得るために創造し配ることをシステム化してはいけません。いくら綺麗事と言われてもその気持ちは全く変わりません。システムの中では、人はどこか歯車という「部品」になってしまうからです。
 「仕事に、人生に、魂を宿すためには、自分が生きていて、人間であることを忘れてはいけないんだ。そしてその自分の横にいる誰かも、命があり生きている事を忘れないでください。」
 これが今年の初めの、夫のあいさつでした。
 
posted by Kuhcan at 21:06| 古民家再生協会

2023年01月02日

うまく生きろ

あけましておめでとうございます。
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2023年1月3日です。

今年は新たに古民家ショールーム「池田屋脇本陣」をオープンする予定です。はやる気持ちを抑えています。(抑えなくてバリバリやりたいのですが、昔みたいに自分一人ではないので、妙な慎重さで進めています。)

 2022年は、資材不足からの人手不足に悩まされ、混迷の時期でした。
 が、弊社では松下幸之助の「ダム経営」論、すなわち「ヒトもカネもモノも、全てダムの水のように蓄積されていたい」の願いのもと、とうとう社員が7人に増えました。カネは無駄遣いせず出来るだけ貯めています。モノは、先述の古民家脇本陣を整備中です。

 このダム経営の効果を一つ。
 私たち夫婦は年末コロナに罹ったのですが、残りの5人が獅子奮迅の如く業務をこなしてくれたおかげで、安心してずっと寝ていました。12月は7日も業務を抜けるわたしがさらに10日抜け。
 その穴埋めに皆はそれぞれ責任感を発揮して孤軍奮闘、さらにチームワークも発揮しての年末でした。

 こんなに放置して会社が回るのはこれまでには考えられないことで、はじめての経験です。ダム経営の効果をまず実感した次第です。

 と同時に、3日も寝ていられないようなコツコツした重圧を、自ら背負って歩いてきた22年にも気付きました。よくやって来たなぁ…誰にも強いられずこんな生活。

 そこで、この正月は太宰治を読んでいます。ちょっとしんどいとすぐ死にたくなって酒と薬と女に走る弱い文豪を、私は反面教師にしています。若い頃は腹を立てながら読みましたが、今は、幼少期の性的虐待が可哀想な自尊心にしてしまったとわかるので、単純に、「望みを失う」「逃げる」怖さのベンチマークにしています。
 
 その合間に安藤忠雄の記事や本も読んでいます。安藤さんは闇雲な強さとクレイジーな自由さを持つ世界の天才です。今日あたらめて刺さった言葉は「うまく生きろ」です。

 やっぱり無謀だと思えることを実現するためには、チームを組んでくれる優秀な人物の存在が不可欠です。人との出会いには常にアンテナをはっていたほうがいい。それもまた、生き抜く術のひとつでしょう。若い人にメッセージがあるとしたら「うまく生きろ」ですよ。自分で考え、自分でその術を見つけ、これからの時代をうまく生き抜いていってほしいと思います。』
 
 成功を得てなお死のう死のうとした文豪と、世界中の評価を得てなお食べるために働けという建築家。
 太陽や雨に悩まされ、人の想いに悩まされ、時間の経過にまで悩まされる世界で、4Dで迫る困難をまだ振り払い生きているのは、臓器を5つも失った「実施士」の方であることを私はずっと知っています。

 人生100年、折り返しに立つ自分と、伸び盛りの子供たちへ、この世界に立ち向かう原点とは何か?を考える。それがいつもの私のお正月です門松
posted by Kuhcan at 12:32| 日記