2018年04月03日

インテリアのつま先:和室の建具

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これまた、古民家鑑定の調査項目外の話。「建具」。
  当時は、大工か材木屋さんが家を建てていました。正直なところ、建具を見ればその大工さんのセンスや心意気が伝わってきます。
  というのも、大工は建具を作りません。建具職人が作ります。つまり大工は受注したお金を支払って作ってもらうわけです。
  
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  例えばこれ。杉の一枚板に桐と鳳凰。
  一枚板である上に、この杉の目は細かい。木目のうねりが濃厚で力強く繊細。絶妙な板。
  そこに加えて柄もまた縁起がいい。
「桐と鳳凰」。鳳凰は言わずもがな、桐は日本の象徴柄で、すくすく育つ初夏の木として縁を担がれています。また、隠れた意味としては朝廷への忠誠を誓うという意味があります。古くは足利将軍家から織田信長・豊臣秀吉にも朝廷から桐紋の使用が許され、現代では法務省や警察高官のピンバッジ・五百円玉・パスポートにも見られます。
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  では北隣の建具は、というと同じデザインではないわけです。先ほどのような凝ったものはあくまで玄関を入ってお客様にこの家の格を表現し、隣の間仕切り戸はアッサリさせます。(抜け感です、抜け感。)
  
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そして肝心の奥座敷(仏間や床の間があるところ)には、
「襖」。
 ガラスでは無いのは当然の室礼(しつらい)。この面には欄間も入れません。神聖な場と家族の間を仕切る戸なので、デザイン(欄間)だとか明かりとり(ガラス)だとか、チャラチャラしていてはいけないわけです。
 
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かといってその奥座敷の北には、ちゃんと欄間が。
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  奥座敷の南面は、欄間と柄入りガラスの障子です。
  ここでも、障子という伝統とガラスという現代素材を融合させ、モダンさを出そうとした心意気が感じられます。さらに明るさを取り入れ暖をとる工夫も感じます。
  1軒に4室の畳部屋があろ、その全てを建具で仕切るのが当然だった60年前の日本家屋。
  建具は大切な、その家のインテリアなのです。
posted by Kuhcan at 07:36| Comment(0) | インテリアレッスン