2023年03月02日

歴史的建物の管理〜だれと出逢ったか?の旅をめざして

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今年から、大垣市景観遺産「すのまた宿 池田屋脇本陣」の管理を行っています。

この建物は、鎌倉街道周辺の街であった墨俣に住んでおられた「安藤伊賀守(いがのかみ)」さま末裔のお屋敷で、古くは1300年以上前から、わかっているだけでも戦国時代には登場している一族のお屋敷です。

現在の建物は築130年。写真に写っているのは増築された築110年の建物です。

この建物は、長い間おばあさんお一人が住んでおられましたが、あまりにいい建物なので、15年前から松岡さんと言う女性の旗振りで、「地元の女性の手で」企画された「つりびな小町めぐり」祭りの拠点になっています。

15年目の今年からは、弊社の管轄になり工事中で、きれいなつりびな飾りができなかったため、お詫びに無料の休憩所として1部を解放しました。

すると、休日で500人、平日でも300人近くの人が訪れます。墨俣には秀吉の出世で有名な一夜城があり、花街として栄えた歴史もあることから、町歩きのお祭りなのですが、ほぼ全員がこの脇本陣よって行かれます。

というのも、宿場町であった歴史も今や昔、老朽化で町屋のほとんどが取り壊され更地が目立つ、風通しの良い街になってしまい、それらしく見るものが少ないからです。

それでも、今回の無料休憩所を通して分かった事は、「旅はみちづれ」。
 つまり、誰に出会ったかで、良さは変わるのだろうなということです。

 寒風、吹き荒ぶ街中をつりビナをたどって回り、温かい脇本陣でホッとしてコーヒーを飲む。そして、建物の由来を私たちと話ながら、コロナの収束を喜びながら、お祭りの女性たちの手作りびなやお土産物を楽しまれ、「お祭り参加記念品」をもらって帰っていかれます。

「このお祭りは優しいお祭りやねぇ」
「町の人のすごい努力が胸にしみるね。」
「誰にあっても、親切で本当に今日は楽しかった」

 工事中でも閉まっているといけないと解放し、工事中だからとコーヒーも無料ですが、特に寒い日に立ち寄られた方が、本当に暖かくて助かったと帰られるので、社員一同満足度が高く、もはやみんな、本業は一旦置いて、まつり当番に行きたい位の感じになっていますにこにこ

 これからも、「いいところに来た」「いい人やものに出会った」と言っていただける仕事したいなと思いました。建築だろうが観光だろうが、大事にすべき事はいつも同じです。


 8月のオープンに向けて絶賛工事中です。これからはいつでも立ち寄れる場所にしていきますので、皆様、どうぞ、これからも、気軽に足をお運び下さいませ。




posted by Kuhcan at 06:51| 古民家再生協会

2023年02月26日

地元の祭りをやってみて

工事中の「すのまた宿・池田屋脇本陣」。
このたびは、地元のお祭りと言うことで、工事を中断して中を解放しました。

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 とりあえず、どんなものかよくわからずに、コーヒーが飲める無料休憩所にしてみたところ、
商売で出くわす人たちともまた異なる風情の、温かい交流の場になっています。
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 そして、地元であるにもかかわらず、忙しがって、ほとんど参加してこなかったときには見えなかった、地域の人たちの誠実さや気力、体力に驚嘆する毎日です。
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 今日、休憩に立ち寄られた方が「優しい方ばかりで、すのまたは本当に良い処やね」と喜んで帰られたのが、なんだか大変誇らしく、生きていて、本当に楽しいと思いました。

 このブログでもしつこく書いてますが、会社をやってはいるものの、良いものを作りたい、良い場所を届けたい、良い心で暮らしたい、と言う気持ちだけでやっています。

 この祭りでは、なんだかそれが全部叶ったような、ちょっと夢のような雰囲気で、どの方も、ごちそうさま、ありがとうね、体が温まりましたと言って帰られます。

 飲食店の人たちは、毎日きっとこういう声に励まされてやっているのでしょう。衣食住、と言いますが、命に関わる仕事をしているのは、私も同じですが、また一味違った感動があります。
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 それに、100年も地元なのに交流してこなかった年配の方々、久しぶりに会った同世代の方々、新しい世代の子供たち、と1日500人の人たちに出会えて、イベントの企画の楽しさが身に沁みます。

「あんた、話が聞ける子やね!教えたいから紙芝居を見にいらっしゃい。」
「私たちがこの流れを継ぐの?そうやね、頑張らなあかんね。」
「祭りの応援ありがとう。みんな喜んでる」
「(子供たち)今日もきたよ!」


 コロナやウクライナ戦争で、現実を見れば切羽詰まったことばかりですが、祭りをやるということが、こんなに自分の癒しになるとは思いませんでした。
 スタッフも休日返上、買い出しに・案内に・ストーブの給油に…おおわらわですが、普段が真剣なので祭りでも全然真剣です。こんな時もさすが頼りになるクーカンの人達…。

 私自身、朝は企画書、昼は案内で毎日立ちっぱなし、夜はSNSですが、たくさんの人に会った日ほど疲れません。人はパンのみに生きるにあらずです。充実した仕事人生を送っているつもりが、一歩離れただけで、また違う豊かさが隠れています。

 祭り、大事ですねェ!

みなさん来てください。
「つりびな小町めぐり2023 
 2月23日〜3月5日
 すのまた宿池田屋脇本陣 界隈にて」
 
posted by Kuhcan at 19:00| 日記

2023年02月22日

今日怒られました…初心忘るるべからず

 今日、お客様にお叱りを受けました。
 石積みの庭を削る工事で、
・石碑の向きが悪い
・思ったより石積みが低い
・セメントの塗り方が汚い

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 石積みは難しいので、庭師さんに任せたらバツ1️でした。

「何でここ(大工・左官)までこうも綺麗にやってくれて、最後こうなんだ!」と怒られました。

 うちの監督は、「確かにうちの工事にしては仕上げが甘い」と反省して帰ってきました。

 「任せるよ」の言葉は常に罠のようにリノベーションの仕事に潜んでいます。

 いざやってみて「そうじゃないだろ」が最近多い。他人なので、良かれと思うツボが違う時と、思わず職人さんが急ぐ時、そして実際に相手の期待を汲み取りきれず気が利かない時があります。

 実は、この問題、「信頼されていがち」な、そのお客様と初めての工事の時こそおこります。

 「わからないから、いいようにやってね」
とお客様に言われても、昔は容易に自分を信じず、どんなに面倒でも、時間をかけて相手の好みを確認していましたが、最近は「使い勝手とデザインのちょうど良いポイントはココだ」と言う、プロの意見、逆に言えば、平均化された結論に至ることが増えました。

 最近、怒られる時は、大概、この平均的な施工をして怒られている気がします。
 もしくは「本当は意見を言いたかった。」というお客様の気持ちを汲み取りきれず、こちらの美学で進めてしまうのも一因です。

 弊社はリピーターが多いので、思わず「この人にはこれ」と決まると安定して進んでいくことが多く、怒られるのは、大概、はじめてのお客様です。

 お客様の「どうなるのかな」という不安を、私が汲み取りきれていないのです。

 と言うわけで、そろそろ50歳の私は、営業は若い人の助言やサポートに回ったほうがいい年頃だと思います。どうしても、会社経営に時間を使っているから、お客様の不安を昔ほど長い時間聞けなくなっています。さらに、なまじ経験が多い以上、自分の意思で十分正しいと思い出してるのは、仕事のまわり道で、良いことではないみたいです。残念ですが。

 ただ、実際、引き渡して家に住まれてからは、「しみじみ良い」と感じてくださる方が多く、時間が経つほど、弊社とお客様は馴染んできます。その方の次の工事には、プロの意見も生きてきます。

 初心忘るるべからず。

 畏れ、を持つ世代を増やせる、具体的には、お客様の意見をしょっちゅう聴けるような社員を増やす運営をしたいと思いました。いよいよ、スタッフあっての、空間建築工房です。



posted by Kuhcan at 23:41| 日記

2023年02月19日

詐欺にご注意 A大手の不動産屋

 今日、娘の下宿探しで変な不動産屋がいました。
遠方なので電話で問い合わせたところ
「お調べしますねー」と3分待たされ、
「すいませんわかるものが全て応対中で」
「たつみ、は漢字ですか?…ああ、漢字。
 ではマンション、はカタカナですか?」

…おいおい、自社物件なら入力すればある程度の情報はパソコンに出るでしょ。私でさえ3Dで部屋が見渡せるじゃない。
それに、あなたの会社のレベルなら、ファイルを開けば、すべての情報は載っているはずですよ。
…そして、マンションで、漢字あるんかい?

まだ18歳の娘がニヤニヤしながら「この人やばいね〜」と言う顔で私を見てきます。

このことで、あるフランチャイズの不動産ネットワークの営業さんのことを思い出しました。

「不動産事業を始めるにあたり、人を4人雇ってください。
賃金の安い23歳で充分です。
社会経験、不動産知識などあまり必要はありません。もちろん宅建士の資格も、あなたが持っているから不要です。
なぜなら当社ならそんな人を教育するシステムがあります。何時に何をして、終わる頃までに何をするのか、全てマニュアルがあります。
さらにそういう不動産のアマチュアの方が、(わかっていないので)会社のノルマ命令に忠実です。彼らは基本給が安く、成功報酬で賃金が増えるので、良い人にだけお金をたくさん払うことができます。」

 あまりにも、業界(お客さん)や、社員を馬鹿にした方針で、逆に私はドン引きしてしまいそのフランチャイズに加盟するのをやめました。

 そこは大層な大手チェーンなので、皆さん1度は耳にしたことがあります。大手の「仕組み」って、そんな風なんだ…。私が就職した頃の30年前のハウスメーカーと一緒なんだ…。

 ちなみに弊社は、どんな知識レベルの新入社員を雇ったとしても、
「文化の香り」
「人への愛情」
「業への精意」
「成長する幸せ」を教えます。

 ノルマの話は、各個人のものではなく、会社の月次決算書を元に、損益分岐点の話をして、毎月確認をするだけです。社員さん達は十分に理解して、私以上に、「こんなに頑張ってるのに赤字なんて嫌だ」「こんな無駄は会社のためにならないからやめました」など、我が事として会社業績を捉えています。

 また、弊社では雇用する時
「賃金が安いから雇う」のではなく、
「この人いい人だから他社ではもったいないな。うちにこればいいのに」と思う人を雇っています。

 そして来た人たちが「古参メンバーと知識レベルが合ってきてうれしい」とか「現場楽しい」「今、人生で1番頭を使っている」「昔の私より今の私の方が賢い」「夫に、お前稼いでるなと言われた」と言ってくれるのが1番嬉しい。

 私の会社にもし冒頭のような、仕事が全くできない人がいたらとゾッとしますが、そもそも、「お問い合わせありがとうございます」の言い方が気持ち悪いような人は雇いません。でも例のフランチャイズ不動産の感覚なら十分に雇うのかもしれません。だって「不動産屋のフランチャイズに応募してくる人は、大概仕事はできませんよ。だってできる人は、自分で開業できていますから。」と言う考えだそうです。

 …怖いなぁと思うのは、これを言っているのが、私より断然若い30代前半のシュッとした若者なんですね。自分が話している内容が、私のもっと上の世代の、昭和の黎明期の組織感覚だということに気づいていません。

 一体なんだその考え!従業員を馬鹿にすんな!と、私は強く思います。社員を低く見る会社が、お客さんを大事にできるとは私はとても思いません。

 と言うわけで、「不動産大手」には、そんな根本的な部分から発生する罠が仕掛けられている場合があります。即レスでいわゆるマニュアルを忠実に守っている遠方の誠実な社員さん達が、そんな態度で会社に雇われていなければいいが、と思いながらの、下宿探しです。

 
posted by Kuhcan at 03:31| 日記

2023年02月10日

しつもん

 質問を2日間、していました。
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 質問の基本は、自分がわからないことを訊ねる事です。これはまだ簡単なのですが、

『返ってきた答えを瞬時に理解し、実行する自分をイメージし、その上でさらに出るであろう課題や疑問をもう一度相手に投げる。』

 という行為は非常に難しいものです。これを2日間やっていたので疲れてしまい、私も更年期か⁈と会社の若い人に愚痴っていました。

 しかし、よくよく考えれば、
「自分の質問に、瞬時に回答できる人に5人もお会いした」訳です。
 普段の暮らしでは出会えない僥倖きらきらきらきらきらきらこんなに賢い人と喋りつ続けられる時間は少ない。


 新しいことを始める時、わからない事があるか無いかもわからず、一人でいつまでも思案していましたが、大違いです。この2日間でお会いした方々は経験や熱意に基づくアイデアと示唆に富んでおり、感動しました。ありがたい2日でした。

posted by Kuhcan at 21:24| インテリアレッスン

2023年01月26日

詐欺に注意@「屋根を修理しますよ」

 家のインターホンが鳴り、見知らぬ若い人(さわやか)が「屋根が悪いのでちょっと見させてもらって良いですか」と来たら、詐欺かと疑ってください。

 手書きで丁寧な字で「屋根が悪いのでお知らせしようと思って」のメモが残っている時もあります。

 見積もりを持ってくると大体名古屋市や岡崎市など遠方です。ただ最近では、その家よりちょっと遠いだけの岐阜県内の業者であることも増えました。
 
 価格は、2〜4倍します。

 契約書はその日か次の日にも持ってきて、家族に相談させずにその場で契約を迫ります。

 社長を調べると女性の場合が多いですが、これは男性社長がなんらかで摘発か自己破産されたため、身綺麗な家族等を傀儡で社長にしている可能性があります。

 修理は、肝心なところではなく簡単に治せるところだけ直します。

 大工工事や雨どい(板金)工事など、瓦屋さんだけでは治らない場合は、シロウト丸出しのずさんな工事をされます。
 屋根の上なのでお客さんには分かりません。

 つまり、やっても甲斐のない工事や、やるとむしろ悪くなる工事、やったせいで他の部分に支障が出る工事、などをされます。

 私は悪質と見た場合、警察に通報しています。それぐらい腹が立ちます。

 最近、東京で、90歳の女性が撲殺される事件が起きました。ひょっとしたら、こういった人が修理を口実に家の中に入り込み、家の間取りを把握した可能性もあります。トイレを借りるふりして家の中を探る人もいます。本当に、知らない人を家にあげないでください。

 皆さん注意してください。善良な世界で生きていても、こんな悪い人が本当になりの割合でおり、皆さんかなりの割合で引っかかっています。

 私は、自分のお客様から「何かおかしいから話を聞いてくれる?」と教えていただき、こういう人の存在や実態を把握しています。中には、「隣のおばあちゃんが騙されそうだから助けてあげて」と言われる時もあります。

 今年ももうすでに一件、そういった詐欺まがいの見積もりを疑ったお客様が来店されました。やっても効果のない工事に170 万円の見積もりをされていました。

 こういう場合、皆さん不安にさせられて、「じゃぁあなたが工事をしてよ」となるのですが、そもそも本当はやらなくてもいい工事なので、工事自体、不要なんですよ。でも相談をしてくる方はすっかりやる気になってしまっています。

 ここが、人間の心理の怖いところです。

 結果弊社が得することになるかと思うと、詐欺に便乗したようで後味が悪いので、不必要な時はちゃんと工事をせずにお断りしています。

 皆さん自分の家とお金を真剣にお守りくださいね。心配事があれば、いつでもご相談に乗りますのでお気軽にお電話ください。

 建築業界は本来、暑い中寒い中でも、重いものを持ち、真摯に働く人達の集まりです。気力も体力もある誠実でパワーある人でできています。ぜひそういった業者に出会っていただきたいと思います。
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↑本気で瓦を直そうと思ったら、ここまでちゃんとやらないといけない。
posted by Kuhcan at 07:49| インテリアレッスン

2023年01月15日

夜なべ仕事


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 今日は暖かい晩です。娘は国公立大学用の共通テストの真っ只中。

 わたしたちは、空き家や空き土地の相談が多いので、夫婦で夜なべしています。

 夫は馴染みのお客さまに、掛川の有名なしょうが葛湯をいただいてきました。ちょうど私は年末に焼けた自分の茶碗を貰ってきました。
 
 あたらしい茶碗で、初めて飲む銘菓をいただきつつ、なんとなく娘が気になって、何ができるでもないのにひっそり夫婦で起きている冬の夜です。

posted by Kuhcan at 03:56| 空き家対策

2023年01月05日

システム

今年の業務が始まりました。
ありがたいことに、来客、電話、が終日続いた初日でした。
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 昨年末、コロナに罹ったせいで宿題仕事がたくさんです。が、同時に年が明けたおかげで、普段の考え(この会社で何がしたいのか)をお蔵出しして、虫干しして、天日干して、さらにひっくり返して、干し切って、水で戻して、整えてお皿に出せるくらいの時間が与えられました。
 すごく良いです。
 夫の実家である大阪から帰ってくる間に、その気持ちを話したところ阿吽の呼吸で同じでした。
 
 夫は「僕が尊敬する人たちはみんな、効率とか段取りとかシステムとか言わず、『わざわざこんな険しい道を…』と思うところを一歩一歩踏みしめて、傷だらけでそれでも一山一山、自分だけの道程で越えておられる」といいました。
 主にそれは、古民家再生協会の支部長達です。
 愛知の戸田支部長…。70歳を超えて、憧れていたヨーロッパやアメリカUSA、林野庁、名古屋港…(市長はもちろんのこと)、と交流し、古民家を丁寧に再生しています。
 讃岐の山倉支部長…。「無人島を放って置いたらアカン」「引きこもりの子を増やしたらアカン」と言いながら船で船ボランティア清掃に向かい、ヤギと相撲を取り、夏休みの子供学校を手弁当で40日たっぷり運営しつつ、アメリカで補助金をもらうほどの古民家移築を成し遂げています。しかも苦労して得た輸出のノウハウを余さず戸田支部長に御伝授なさいました。クリスマスは毎年サンタになってプレゼントを配り歩きます。
 お二人とも、古民家を再生させることで、僻村に人の流れを作り、地域を冨ましめようされています。そして
「自分のやりたい事(建築)で、世間の役に立ちながら仕事人生を終われることがどんなに幸せか!」と自分の人生に感動しています。
 私たちの社長としての使命は、こういう純粋な心で人生を終われること、またそういう人を増やすことなんだろうなと思うのです。
 
 宇宙船開発の植松努さんはこう言います「貧しい国を見てください。そこにはどんな人が住んでいますか?泥棒やギャングです。貧しい世界では、人は他人から奪います。何も与えられてこなかったので、その人には奪う以外生きる道がないからです。ですから、あなたは、人に与えられる人になってください。何もない人を作ってはいけません。あなたが与えて、何ももらえなかった人がいない世の中にしてください。それが私たちの道です。」
 忙しかった年末を無事にやり遂げてくれた社員5人を見ていると、うちの会社では、もうみんな与える人なんだなと思いました。晴れやかな気持ちになり病床で一人感動し、むしろそのリーダーである自分は一体?と重責すら感じる始末でした。
 「無駄なく、迅速に、誰がやっても同じように、仕事をしましょう。と会社では教えたくないんだ」と、私たちは思います。いくら会社が成功すると知っても、そんな働き方をしなくてもいいのです。
 あなたがあなたでしかない部分で、勝負してください。そして建築の仕事をしているとしても、それは「モノ」を造るためではなく、誰か「人」のために仕事をやっていることを忘れないでください。あなたという個性が、この業界で何かを生み出し、与えられるから、仕事をしている。それが真理です。
 お金を得るために創造し配ることをシステム化してはいけません。いくら綺麗事と言われてもその気持ちは全く変わりません。システムの中では、人はどこか歯車という「部品」になってしまうからです。
 「仕事に、人生に、魂を宿すためには、自分が生きていて、人間であることを忘れてはいけないんだ。そしてその自分の横にいる誰かも、命があり生きている事を忘れないでください。」
 これが今年の初めの、夫のあいさつでした。
 
posted by Kuhcan at 21:06| 古民家再生協会

2023年01月02日

うまく生きろ

あけましておめでとうございます。
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2023年1月3日です。

今年は新たに古民家ショールーム「池田屋脇本陣」をオープンする予定です。はやる気持ちを抑えています。(抑えなくてバリバリやりたいのですが、昔みたいに自分一人ではないので、妙な慎重さで進めています。)

 2022年は、資材不足からの人手不足に悩まされ、混迷の時期でした。
 が、弊社では松下幸之助の「ダム経営」論、すなわち「ヒトもカネもモノも、全てダムの水のように蓄積されていたい」の願いのもと、とうとう社員が7人に増えました。カネは無駄遣いせず出来るだけ貯めています。モノは、先述の古民家脇本陣を整備中です。

 このダム経営の効果を一つ。
 私たち夫婦は年末コロナに罹ったのですが、残りの5人が獅子奮迅の如く業務をこなしてくれたおかげで、安心してずっと寝ていました。12月は7日も業務を抜けるわたしがさらに10日抜け。
 その穴埋めに皆はそれぞれ責任感を発揮して孤軍奮闘、さらにチームワークも発揮しての年末でした。

 こんなに放置して会社が回るのはこれまでには考えられないことで、はじめての経験です。ダム経営の効果をまず実感した次第です。

 と同時に、3日も寝ていられないようなコツコツした重圧を、自ら背負って歩いてきた22年にも気付きました。よくやって来たなぁ…誰にも強いられずこんな生活。

 そこで、この正月は太宰治を読んでいます。ちょっとしんどいとすぐ死にたくなって酒と薬と女に走る弱い文豪を、私は反面教師にしています。若い頃は腹を立てながら読みましたが、今は、幼少期の性的虐待が可哀想な自尊心にしてしまったとわかるので、単純に、「望みを失う」「逃げる」怖さのベンチマークにしています。
 
 その合間に安藤忠雄の記事や本も読んでいます。安藤さんは闇雲な強さとクレイジーな自由さを持つ世界の天才です。今日あたらめて刺さった言葉は「うまく生きろ」です。

 やっぱり無謀だと思えることを実現するためには、チームを組んでくれる優秀な人物の存在が不可欠です。人との出会いには常にアンテナをはっていたほうがいい。それもまた、生き抜く術のひとつでしょう。若い人にメッセージがあるとしたら「うまく生きろ」ですよ。自分で考え、自分でその術を見つけ、これからの時代をうまく生き抜いていってほしいと思います。』
 
 成功を得てなお死のう死のうとした文豪と、世界中の評価を得てなお食べるために働けという建築家。
 太陽や雨に悩まされ、人の想いに悩まされ、時間の経過にまで悩まされる世界で、4Dで迫る困難をまだ振り払い生きているのは、臓器を5つも失った「実施士」の方であることを私はずっと知っています。

 人生100年、折り返しに立つ自分と、伸び盛りの子供たちへ、この世界に立ち向かう原点とは何か?を考える。それがいつもの私のお正月です門松
posted by Kuhcan at 12:32| 日記

2022年12月14日

解決力が上がっています

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2022年12月10日、半年ぶりに古民家再生協会の地区大会がありました。弊社はスタッフともども7人になり、ずいぶん勉強に行きやすくなったので4人で行ってきました。

すると、全国の支部長たちにお会いできました。
・伝統再築士会の兎洞理事(大分)
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・全国古民家再生協会の杉本理事(神奈川)
・伝統再築士会の鶴谷副理事(兵庫)
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・岡山第一支部長 正田さん
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・香川第一支部長 山倉さん
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posted by Kuhcan at 08:10| 古民家再生協会